外反母趾

がいはんぼし

最終編集日:2022/5/13

概要

外反母趾は、母趾(足の親指)の付け根の関節が外側へ曲がり、変形してしまう病気でです。正確には20度以上曲がった場合に、外反母趾と診断されます。母趾の付け根の関節は足の内側に“くの字”に大きく突き出し、靴に当たって強い痛みが生じるため、歩行障害も起きます。その発症頻度は、圧倒的に女性が多いことで知られています。

原因

外反母趾の原因には、遺伝などの内的要因と、靴や生活習慣などの外的要因があります。ハイヒールや足先の細い靴を履くことで足先に過剰な力が加わることが、外反母趾のもっとも大きな要因とされています。


●内的要因

家族内発症の報告も多く、遺伝的要因の関与が示唆されます。内的要因による外反母趾は10代の若年者にも多くみられます。生まれつきの扁平足や開張足、関節が柔らかい人、また足の指のなかでもとくに母趾の長い人がなりやすいといわれています。土踏まずを構成する縦、横のアーチ構造が崩れると、扁平足や開張足となり、とくに横アーチが崩れると、立ったときに足の前の部分が扇状に広がります。靴を履くと、この広がった足先が靴に圧迫されて外反母趾を起こします。

母趾がほかの指より長い人は、靴の締め付けによって母趾が外側に屈曲し、やはり外反母趾の要因となります。


●外的要因

もっとも多い外反母趾の外的要因は、履物の問題です。中年期ではそれに加えて、肥満と筋力低下などによって起こります。

また、外反母趾は、関節リウマチに合併することも多いです。

症状

外反母趾になると、突き出た部分が靴に当たったときなどに痛みを感じるようになります。見た目は気になるけれど痛みはないという場合もありますが、放っておくと変形が強くなって歩行がしづらくなったり、強い痛みやしびれなどが現れたりすることもあります。母趾の付け根が突き出ているか、母趾が第2趾(足の人さし指)のほうに傾いているかなどをチェックして、外反母趾が疑われる場合には早めに専門医を受診し、症状の改善に努めることが必要です。

外反母趾
外反母趾

検査・診断

外反母趾による変形は、見た目に明らかなため、所見から診断されますが、母趾の外側への屈曲の程度などを評価するためにX線検査も行います。その結果を見て関節の破壊などがないかを調べ、治療方針を決定していきます。拇趾の曲がり具合が30度未満なら軽症、30度以上40度未満なら中等症、40度以上なら重症です。関節リウマチや、関節が緩みやすくなるような強い症状がないかを調べるために、血液検査や画像検査などが行われることもあります。


治療

外反母趾の治療は、保存療法と手術療法があります。保存療法では、母趾を圧迫しない幅の広い靴にしたり、ヒールは低めにするといった靴の指導や、ゴム紐を両足の母趾にかけて行う体操などの運動療法を行います。あわせて症状に応じ、消炎鎮痛剤が入った湿布やクリームを処方したり、母趾につける保護パッドや矯正用装具を用いたりします。

保存療法では改善できない場合や、歩行障害を生じている場合などは、手術療法が検討されます。外反母趾の手術法はいろいろありますが、変形の程度などを評価しながら、症状や母趾の状態にあった最適な方法が選択されます。

なお、関節リウマチに合併する外反母趾の場合、関節破壊が進行することから、かつては通常の外反母趾の治療がむずかしく、固定術などの手術が選択されましたが、最近では、関節リウマチの治療薬の向上によって、通常の外反母趾の治療が行われるようになってきています。



セルフケア

予防

外反母趾の原因が靴であるケースが多いので、靴の見直しによって防ぐことができます。選び方としては、足の指が靴のなかで動かせるように、つま先には1~1.5cmほど余裕をもたせましょう。また、靴のなかで足が滑って前にずれないように、ヒールは避け、かかとと甲が固定される靴を履きましょう。

足の指でグーとパーをつくる外反母趾体操も効果的です。グーはすべての指を曲げます。パーはすべての指を開きます(親指は大きく開く)。軽度から中等度であれば、進行を止める効果も期待できます。

監修

東馬込しば整形外科 院長

柴 伸昌

この傷病に関連したQ&A

本サービスに掲載される情報は、医師および医療専門職等の監修の元、制作しております。監修者一覧および元となる情報はこちらからご参照ください。
みんなの家庭の医学 アプリイメージ
アプリでも

みんなの家庭の医学

歩数ゲームやデイリーアドバイス、無料健康相談が利用可能

QRコード

※ご所属先が本サービスを契約いただいている場合のみご利用いただけます。