外反母趾の手術を受けるべき?
20代の頃から外反母趾のため、整形外科で靴やインソールをつくったりしましたが、改善されませんでした。思い切って手術を受けたほうがよいのでしょうか?
女性/40代
2023/08/08
外反母趾(がいはんぼし)は、足の親指の付け根が内側にせり出し、親指の先端が隣の人差し指のほうに向かって曲がる病気です。進行して親指の付け根が大きく変形すると、靴が履けなくなり、さらに親指に力が入らず「立ちにくい」「歩きにくい」など、足の機能に影響が現れます。足の指周辺だけでなく、足首やひざ、腰などに痛みが現れることもあります。
治療は、痛みの有無や程度など個々の症状により異なりますが、一般的には運動療法(足の指を開く体操など)や薬物療法、インソール(足底挿板)や指の間に挟む装具(トースプレッダー)などの治療を行います。これらの保存的治療で効果が出る場合もありますが、改善がみられない場合に、手術が適応になります。
外反母趾の手術法はいろいろありますが、最も一般的なのは中足骨(足の指の付け根から甲に伸びる骨)を削ってずれを矯正する方法です。手術は通常、片足ずつ行われます。進行と症状の程度によって骨を削る位置、量、術式が異なります。
以下、手術後の一般的な経過と注意点についてご説明しましょう。
●手術による合併症には、神経損傷、矯正不足、感染症などがある。
●中・長期的には変形の再発などのリスクがある。
●循環器や呼吸器の病気、糖尿病などの持病がある場合は麻酔ができず、手術適応とならない場合も。
●術後に骨が接合するのに約2カ月、腫れが完全に引くまでの期間を入れると、おおむね3カ月くらいかかるため、その間、立ち仕事ができないなど、仕事や日常生活に支障が出る場合がある。
●長い間、外反母趾が続くことで、その状態でバランスが取れていることもあり、手術を行うことで逆に歩きづらくなる場合もある。
手術の入院期間は足の状態や手術法によりますが、1~4週間はかかります。また、手術を受けても完治するというわけではなく、手術後も再発を防ぐため、できるだけ足を締め付けない靴を履く必要があります。
外反母趾の手術は、一般に難易度が高めで、個々の足で特徴が異なるため、治療や手術の適応も個々に違います。できれば、整形外科のなかでも足の外科を専門にする医師がいる病院、また、外反母趾治療の症例数の多い医療機関を受診することをおすすめします。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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