ガングリオン
がんぐりおん

最終編集日:2024/6/20

概要

ガングリオンは、ゼリー状の液体が詰まっている袋状の腫瘤で、皮下にできると弾力性のあるしこりが触れるようになります。好発部位は手首の背側・腹側、手指の付け根(手のひら側)などで、大きさは米粒大からピンポン玉くらいのものまでさまざまです。足部にもよくみられます。

関節を包む「関節包」や腱を包む「腱鞘(けんしょう)」が変形して、そのなかに「滑液」という関節の潤滑油の働きをする液体がたまることで起こると考えられています。発生する部位によっては、関節包から伸びる茎の先にガングリオンができる場合もあります。脊椎や股関節などの深部に発生することもあり、その場合には触れることはできません。女性に多くみられ、年代を問わず発症します。

原因

なぜ腫瘤ができるのか、まだ原因はわかっていません。発生由来の関節を使いすぎると腫瘤が大きくなることはありますが、原因とは考えられていません。

症状

偶然、腫瘤に気がつくことが多く、通常は痛みなどの症状はありません。腫瘤が大きくなって関節痛を引き起こしたり、周辺の神経を圧迫するとしびれや痛みが現れます。

検査・診断

問診、触診でガングリオンが疑われたら、X線検査、超音波(エコー)検査、MRI検査などの画像検査を行います。注射器で腫瘤の内容物を吸引する穿刺において、内容物がゼリー状であることが確認できれば確定診断となります。腱鞘炎などによる腫瘤のほか、良性や悪性の軟部腫瘍との鑑別が必要です。

治療

症状がなければ経過観察を行います。大きさに変化がなく経過する場合や、自然に消えてなくなる場合もあります。増大し、神経圧迫症状(痛みやしびれ)があるものや関節機能に障害となる場合は、注射器で内容物を吸引する方法、または皮膚を切開して袋を摘出する手術が考慮されます。関節包からの茎をもつタイプでは、茎も含めて摘出します。

セルフケア

療養中

ガングリオンは症状がない限り、放置しても悪性化することはありません。しかし、審美的に気になるようなら、整形外科で相談してみましょう。また、穿刺吸引や手術での治療を行っても再発の可能性があることを知っておきましょう。

監修

東馬込しば整形外科 院長

柴伸昌

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