Question

白内障の手術を受ける場合の注意点は?

82歳の父が白内障と診断され、手術を受けるか検討するよう医師にいわれています。手術をする場合の注意点や、今後の流れなどについて教えてください。

男性/50代

2023/04/14

Answer

白内障とは、目の中のレンズの役割をもつ水晶体が濁ることで視力が低下する病気です。水晶体が濁る原因は明らかではないものの、加齢による場合が最も多く、目の病気や糖尿病によってひきおこされることもあります。

一般的には50代で発症し、50代で40〜50%、60代で70〜80%、70代で80〜90%、80代以上ではほぼすべての人に白内障がみられるといわれています。水晶体は少しずつ濁るため、初期症状はないものの、徐々に進行し視力が低下していきます。


現在、白内障の進行を抑える薬はありますが、根本的な治療法は手術のみとなります。特定の病気が原因の場合はその病状によって手術のタイミングが決められるものの、加齢による場合には明確な判断基準がなく、患者さん自身が見え方に不自由を感じたときに検討するのが一般的です。ただし、白内障を放置すると水晶体が硬くなり、周囲の組織も弱くなるため、軽度なうちに手術を受けたほうがよいとされています。また、手術は全身の健康状態の影響を受けるため、計画的に検討する必要があります。


白内障手術では、濁った水晶体の代わりに眼内レンズを挿入します。この眼内レンズは「単焦点レンズ」と呼ばれるもので調節力はありません。そこで、患者さん自身の生活スタイルに応じて、①遠方、②中間距離(1m)、③読書用などの近方(30〜40cm)から1つのみ適した度数を選び、見えづらい部分は眼鏡で補正するという方法がとられます。

ちなみに、2カ所に焦点が合う「多焦点レンズ」もありますが、こちらは比較的若い年代にすすめられ、保険適用はされません。治療ができる医療機関が限られた先進医療となるため、希望する場合は主治医とよく相談することをおすすめします。


技術の向上によって白内障手術は安全が高まっており、大きな合併症が起きることはほとんどありません。局所麻酔が用いられ、所要時間は平均20分程度です。最近は日帰り手術も普及していますが、入院が必要かは医師によって判断されます。

手術後は翌日から入浴でき、徐々に普段どおりの生活を送れるようになります。視力の回復については白内障以外の病気の有無に左右されるものの、濁りを取り除いた分は確実に視力が向上します。夜間や暗所で光がにじんで見えることもありますが、通常は数週間で慣れるようです。また、半年程度は定期的な受診が必要とされています。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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