チョコレート嚢胞。手術の摘出範囲に悩む
チョコレート嚢胞の治療中です。以前の分娩の影響もあって子宮や卵巣周辺の組織の癒着がみられることから、主治医から子宮と卵巣の全摘出をすすめられました。セカンドオピニオンでも主治医と同じ意見をもらいました。全摘すると更年期様の症状が出て、ホルモン補充療法を続けなければならないと聞きました。卵巣を片方だけでも残せないでしょうか?
女性/40代
2024/04/23
チョコレート嚢胞は子宮内膜症の一種です。子宮内膜症は、子宮内膜が子宮の内側以外の、本来の位置ではない組織や臓器などで増殖する進行性の病気です。チョコレート嚢胞では、子宮内膜が卵巣で増殖し、強い月経痛などを引き起こして日常生活に大きな影響を及ぼします。
また、嚢胞が大きくなって破裂するリスクや、卵巣がんや不妊症の原因になることもあるため、妊娠を望まない場合には手術が考慮されます。一般的に嚢胞の大きさが大きいほど、患者さんの年齢が高いほど、がん化のリスクが高くなるとされています。手術には両方の卵巣を摘出する、あるいは正常な部分を温存する術式があり、妊娠を望む場合には温存術が検討されます。
ご相談者が子宮・卵巣の全摘術をすすめられたのは、嚢胞の大きさ、臓器の癒着の状態、妊娠の希望などを総合的に検討してのことだと思われます。
心配されているように、両側の卵巣摘出をした場合は、更年期のような症状が出ることがあります。しかし、症状を予防する方法としてホルモン補充療法(HRT)を受けることができます。HRTの歴史は長く、世界中の更年期症状に悩む女性に使用されています。副作用として、不正出血や乳房の張りなどの症状が出現することがありますが、多くは服薬を続けるうちに治まります。また、現在ではHRTによる乳がんリスクへの影響は小さいといわれています。
もう一度、主治医とよく話し合ってみてください。手術がすすめられる理由、ほかの治療法(薬物療法)では効果がみこめない理由、手術のリスク、片方の卵巣を残すことはできないか、術後の生活への影響、更年期障害への対処法など、メリットとデメリットをしっかり説明してもらいましょう。そして、ご自身の術後の生活やHRTを続けることへの不安、片方の卵巣を残したいという希望なども話してみてください。そのうえでご家族とも話し合い、納得したうえで治療法を選択してください。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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