過覚醒に注意! コロナ下のうつ

最終編集日:2022/5/29

コロナ生活が3年目に入り、一昨年や昨年に比べて、テレワークが原因のうつは減少傾向がみられます。しかし、逆にテレワークから出勤への変化に対応できず、うつになる人が出てきています。


テレワークうつは「ストレス→過覚醒→鋭敏化→脳疲労→うつ状態」という経緯をたどります。

時間の切り替えがうまくいかず、物的・人的な仕事環境への不慣れさ、また、リモート先という見えない状況(上司や同僚、部下の仕事状況、残業具合など)に対し、過度に考えすぎて幻影を抱き、不必要な不安やストレスが生じ、過覚醒状態となります。


過覚醒とは、交感神経が恒常的に高ぶった状態で、動悸、口の乾き、手やわきの下に異常に汗をかく、肩こり、頭痛、不眠、胃腸機能の低下や胃痛といった症状となって現れます。この状態が続くと、脳がバッテリー切れを起こしたような状態(脳疲労)となって頭の回転や集中力が低下し、最悪、うつ状態となります。在宅勤務から出勤し始めた人の場合も、同様の経緯をたどり、上司の表情や評価、同僚や部下の状況など、さまざまなことに過敏になる場合があります。このような症状があらわれたら、受診するタイミングです。


テレワークうつにならない考え方としては、第一に、葛藤しないこと。「ま、今はこんなもんだよなぁ」「テレワークだからあまり相手のことがわからなくても当たり前」などと割り切ること。第二に、コントロールできないことは諦めること。第三に、自分をほめ、根拠がなくても「何だかんだいって何とかなる」と思い、言い聞かせることです。


生活習慣のアドバイスとしては、オンとオフの切り替えをきちんと行う、午前中に日光を浴びる、過度にカフェインをとらない、頭は疲れていなくても体が疲れているときは休む、頭が疲れているときは気分転換ではなく、脳を休ませる時間をつくる(脳疲労は気分転換では改善されないため)、などが挙げられます。


監修

パークサイド日比谷クリニック院長

立川秀樹

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