花粉症はライフスタイルに合った薬でのりきる

最終編集日:2024/1/9

今年も早いところでは1月初旬からスギ花粉が飛散しはじめます。花粉症の人にとっては憂うつな季節の到来ですが、ひと昔前と違い、現在はつらい症状を緩和する薬が多くあります。車を運転する人や眠くなると困る人、妊娠中の人など、それぞれのライフスタイルやからだの状態に合った薬もあるので、我慢せずに医療機関(耳鼻咽喉科・眼科など)を受診することをおすすめします。


●第2世代の抗ヒスタミン薬は眠気が少ない


花粉症は、鼻や目などの粘膜から体内に入った花粉に対する免疫システムの異常過剰反応によって、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が出現するアレルギー疾患です。花粉症の薬の副作用で困るのが眠気ですが、これは飲み薬の「抗ヒスタミン薬」の副作用です。抗ヒスタミン薬は、免疫細胞から放出されるヒスタミンという化学伝達物質の働きを抑える薬で、くしゃみ、鼻水に対して効果を発揮します。ところが、アレルギーへの関与とは別に、ヒスタミンには脳に作用して覚醒や興奮を促すという役割があるため、抗ヒスタミン薬によってその作用が抑えられてしまうと眠気や集中力の低下といった症状が現れることがあるのです。

しかし、抗ヒスタミン薬には「第1世代」と1983年以降に発売された「第2世代」があり、眠気や集中力の低下といった副作用が強く現れるのは第1世代の薬です。現在、主流となっている第2世代の薬ではその点が改良され、眠気などの副作用は軽減されています。薬の種類によっては「車の運転等危険を伴う機械の操作」を禁止事項にしているものもありますが、制約がない薬もあります。例えば、フェキソフェナジン(商品名:アレグラ)、ロラタジン(商品名:クラリチン)、デスロラタジン(商品名:デザレックス)、ビラスチン(商品名:ビラノア)といった薬です。それぞれ服用回数(1日1回、あるいは2回)や服用時期(空腹時、食後)が異なるので、自分の生活サイクルも含めて医師に相談できると理想的です。

ほかの飲み薬としては、鼻づまりに効果がある「抗ロイコトリエン薬」には眠気などの副作用はありません。くしゃみ、鼻水に効果がある漢方薬の「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」も眠気などの副作用は基本的にありません。点鼻薬、点眼薬も眠気の心配はありません。

症状の強い方などは、1種類の薬の服用ではおさまらないこともあります。アレルギーを抑える薬には、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬以外にも薬があります。これらの複数の内服薬を併用したり、点鼻薬と内服の併用によって症状の劇的改善が望めますが、その組み合わせは、医師に任せましょう。


●妊娠初期は点鼻薬、点眼薬でのりきる


お腹の中の赤ちゃんのさまざまな器官が形成される妊娠早期(妊娠2〜3カ月)は、薬によって奇形などの異常を起こす可能性があるため、飲み薬は使わないのが原則です。一方、点鼻薬や点眼薬は作用が局所的で赤ちゃんへの影響がほとんどないと考えられ、妊娠早期でも使えます。場合によってステロイド点鼻薬も使えます。症状がつらい場合は、妊娠していることを告げて、医師に相談しましょう。

妊娠中期以降になれば、多くの花粉症の薬は治療上の有益性が危険性を上回ると判断されれば使えるようになるので医師に相談して処方してもらうとよいでしょう。妊婦中に飲んでも大丈夫といわれる市販薬もありますが、自己判断で飲むのは避けたほうが無難です。


●花粉が飛散する2週間前から飲み始めると効果的


飲み薬は症状が出てから服用するよりも、症状が出る前から服用したほうが、花粉飛散のピーク時の症状を和らげる効果があることがわかっています。住まいの地域の花粉飛散開始の時期をインターネットの花粉情報などで調べ、可能ならその2週間ほど前から服用するようにしましょう。

監修

はくらく耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニック 院長

生井明浩

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