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腫瘍マーカーってどんな検査?

最終編集日:2026/4/20

人間ドックのオプションなどで見かける「腫瘍マーカー検査」。がんに関する検査ということはわかっていても、くわしい内容については知らないという人も多いのではないでしょうか。そこで、腫瘍マーカーの基礎知識を解説します。


●腫瘍マーカーはがん細胞があると血液・尿中に増える物質

腫瘍マーカーとは、がん細胞が体内にあるときに血液や尿の中に増える特定の物質(たんぱく質など)のことです。がん細胞自体がつくるものや、がん細胞の影響を受けて体がつくる物質の両方があります。血液検査や尿検査で容易に数値を測定できるため、次のような目的で活用されています。

・治療効果の評価:手術や治療薬などの治療効果が上がれば数値が下がり、効果がなければ数値は上昇や横ばいを示すので、治療効果の評価に役立てる。

・治療後の経過観察:定期的に検査をして、再発・転移の早期発見に役立てる。

・診断の補助:ほかの検査(画像検査、組織検査など)と併用することで、がんの診断に役立てる。


●腫瘍マーカーの数値が高くてもがんとは限らない

人間ドックで腫瘍マーカー検査を受ける際に知っておきたいことは、数値が高いからといってがんとは限らないという点です。がん以外の要因(膵炎・胆嚢炎・胆管炎などの炎症性疾患、糖尿病、気管支炎など)、体質によっても数値が上がることがあるからです。これを「偽陽性」といいます。いずれにせよ、数値が高くて「要精密検査」という結果が返ってきた場合は、医療機関を受診し、精密検査を受けることが重要です。

反対に、数値が低いからがんではないとも言い切れません。がんがあっても、数値が上がらないタイプのがんもあるからです。これを「偽陰性」といいます。

多くの腫瘍マーカーは、がんがある程度進行してから数値が上昇するため、がんの早期発見には不向きともいわれています。

したがって、腫瘍マーカー検査だけでがんの診断をすることはできません。ほかの検査と併用することで、診断の精度を上げるために役立てる検査といえます。


●それぞれの腫瘍マーカーが特定のがんと関連している

腫瘍マーカーにはさまざまな種類があり、それぞれ特定のがんと関連しています。

【主な腫瘍マーカーと対象になる主ながん】

・PSA:前立腺がん

・CEA:胃がん大腸がん肺がん乳がん

・CA19-9:膵臓がん、胆道がん

・AFP:肝臓がん

・CA125:卵巣がん子宮体がん

・ProGRP:肺がん(小細胞肺がん)

・CYFRA:肺がん(非小細胞肺がん)

これらのうち、がん検診としての一定の有効性が認められているのは、PSAです。PSAは、がんによって前立腺組織が壊れると増加する物質で、早期のうちに数値が上昇するため、前立腺がんの早期発見に有効とされています。ただし、前立腺肥大症、前立腺炎でも数値は上昇するため、ほかの検査と併用して見極めることが必要です。


※2026年3月31日現在の内容です。


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監修

ミッドタウンクリニックイースト 内科・消化器内科

松本健史