食べると眠くなる血糖値スパイクを防ぐには?
最終編集日:2023/3/27
心地よい陽気のなか、つい居眠りをしたくなるような季節になりました。しかしもしも日常的に、食後に急激な睡魔に襲われる、昼食後はいつもからだがだるく昼寝をしてしまう、などが当てはまるようなら、注意が必要です。
通常、血液中のブドウ糖濃度が上昇すると、膵臓から「インスリン」というホルモンが分泌されます。インスリンの働きにより、ブドウ糖が肝臓や筋肉、脂肪などの細胞にとり込まれることで、血糖値は再び下がるというしくみです。
健康な人でも食前と食後では血糖値は小さく上下しますが、食後の短時間に血糖値が急上昇・急降下することを「血糖値スパイク(グルコーススパイク)」と呼びます。血糖値を急上昇させる食事や食べ方をすることで血中濃度が急激に上がると、膵臓が慌てて大量のインスリンを分泌するため今度は急激に下がってしまうのです。この急降下により、私たちは眠気やだるさを感じてしまうのです。
この急上昇と急降下をくり返すことで膵臓の機能が低下すると、糖尿病に移行することがあります。また、このような血糖値の急激な変化は血管にダメージを与えるため、動脈硬化を招き、それが脳梗塞や心筋梗塞といった命にかかわる生活習慣病へとつながります。
血糖値スパイクを起こさないためには、日々の食習慣が非常に大切です。
●欠食をしない
食事を抜くと、次の食事をとるときに血糖値が急上昇するとされています。1日3食をほぼ決まった時間にとりましょう。
●ご飯は最後に食べる
ブドウ糖を多く含む炭水化物がメインの食事は要注意です。ラーメンやパスタ、丼ものなど、炭水化物に偏るような食事は避け、食物繊維のとれるおかず(野菜・海藻・キノコ類など)も含む栄養バランスのよいものの摂取を心がけましょう。サラダ、汁物などから食べはじめ、ご飯などの主食は最後にとると血糖値の上昇が穏やかになります。
●ゆっくり食べる
早食いするとインスリンの分泌が追いつかなくなります。またゆっくり食べることで、食べすぎを予防することができます。
●食後に軽く動く
食後にからだを動かすことで、血糖値の急上昇を抑える効果があります。激しい運動である必要はなく、少し歩く、家事をするなどでじっと座り込んでしまわないようにするとよいでしょう。
監修
保健同人フロンティアメディカルチーム
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