喫煙によって発症する病気
喫煙によって発症する病気を教えてください。
男性/40代
2022/01/28
現在、たばこが発症要因のひとつと考えられている代表的な病気は、肺がんです。たばこの煙が直接触れる気管支や肺は、発がん性物質ベンゾピレンなどに絶えず刺激されています。それにより、表面組織が傷つき、それを修復しようとする過程の中でがん細胞ができ、肺がんを発症するといわれます。肺がんは1993年に胃がんを抜いて日本人男性の死因のトップになりました。肺がんの約70%が、たばこによって引き起こされているともいわれています。
また、声帯を取り巻くのどに、たばこに含まれる発がん性物質が付着して、咽頭がんを発症すると考えられています。煙のとおり道であるのどは、酸欠状態などから弱っているので、そこに発がん性物質が付着すると、影響が出やすくなります。たばこと飲酒は相乗効果があり、ますます喉頭がんのリスクが高まることがわかっています。
ほかには、次の病気を引き起こす一因になるといわれています。
●肺気腫:肺の弾性が弱くなって呼吸が十分にできなくなり、体を少し動かすだけでも強い呼吸困難が起きます。たばこを吸わない人が発症することは、ほとんどありません。
●動脈硬化:喫煙によって血中の一酸化炭素ヘモグロビン濃度が高くなり、酸欠状態が続くと血管内皮が傷つき、動脈硬化が進行します。
●狭心症:喫煙によって血圧が上昇し、心拍数が増大すると、冠動脈のけいれんが起きやすくなるといわれます。そこに動脈硬化などが加わって、狭心症が起こります。
●胃・十二指腸潰瘍:ニコチンは、胃や十二指腸の粘膜の抵抗力を低化させるといわれます。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の発症にはピロリ菌の存在が指摘されていますが、ピロリ菌と喫煙、ストレスなどが重なると、潰瘍ができやすくなります。
●勃起障害:たばこに含まれるニコチンの血管収縮作用のため、精巣機能が低下し、精子の数や活動に異常が起こるといわれます。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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