認知症

最終編集日:2022/3/30

超高齢社会といわれる現代、老化によって脳の細胞が損傷を受ける認知症患者数は増えつづけています。
適切な治療とサポートによって病気の進行を遅らせ、本人や家族が少しでも快適に過ごせる環境づくりをしていきましょう。

原因

認知症は、脳の疾患によって認知機能が持続的に低下していき、日常生活や社会生活に支障をきたすようになる状態を指します。
原因となる疾患にはアルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症などがあり、現在ではそれぞれの疾患のメカニズムも解明されています。ただし、認知症そのものを完治させる治療法はまだ確立されていません。

症状・影響

認知症の症状は大きく2種類に分けられます。
ひとつは認知機能の低下によるもので、物事を覚えられずすぐに忘れてしまう(記憶障害)、今までできていたことができなくなる(失行、遂行機能障害)、日時や場所がわからなくなる(見当識障害)、などの症状が現れます。これを中核症状といいます。
もうひとつは行動・心理症状と呼ばれるもので、怒りっぽくなる、攻撃的になる、徘徊する、幻覚を見る、妄想にとらわれる、うつの状態になるなどの症状が現れます。これを周辺症状といいます。

治療

アルツハイマー病やレビー小体型認知症では脳に障害のある神経細胞が増えていくため、残っている正常な神経細胞を活性化させる薬が処方されます。
血管性認知症では、脳梗塞や脳出血などの脳血管の病気による損傷が原因のため、脳血管障害の原因となる基礎疾患をコントロールすることに注力します。
行動・心理症状によって生活に大きな支障が出ている場合には、介護環境を工夫したりしますが、精神科などで処方される薬を使って症状の軽減を図ることもあります。

セルフケア

記憶力が低下し、これまでできていたことができなくなる認知症では、どうしても介護を担う家族の負担が大きくなりがちです。本人や家族が孤立してしまうと、状況が悪い方向へ向かいやすくなるため、周囲の人や自治体に協力を仰ぎましょう。適度な運動の機会をつくり、人との触れ合いや趣味を楽しめる場へ積極的に参加させてください。
行動・心理症状が顕著に現れている場合には、地域のケアマネジャーなどに相談し、専門家にサポートしてもらうのも有効です。
人と接触する機会を増やし、できないことにも挑戦しながら活動的な日々を送ることも病気の進行を遅らせることに役立ちます。

監修

あしかりクリニック院長

芦刈伊世子

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