低栄養

最終編集日:2022/3/30

からだを動かし、健康を維持するための栄養素が慢性的に不足している状態を「低栄養」といいます。
高齢になるとさまざまな要因で食事量が不足し、低栄養に陥りやすくなります。

原因

元気に活動し、生命を維持していくためには体外から栄養素を摂取することが必要です。栄養素が慢性的に不足している状態を低栄養といい、高齢者が低栄養に至る大きな原因は食事量の減少です。
嚥下機能が衰える、胃や腸などの消化機能が衰える、食事そのものへの興味が薄れる、などのことから少ししか食べられなくなり、からだを動かすために必要なエネルギー源となる糖質やたんぱく質、健康を維持するために必要なビタミンやミネラルが不足します。

症状・影響

もっともわかりやすい症状は体重の減少です。体重が減ることで筋肉や脂肪の量も減少し、転倒しやすくなったり、骨が皮膚を圧迫して皮膚に炎症が起きやすくなったりします。
骨の原料となるカルシウム量が不足して骨折しやすくなる、免疫機能を促すビタミン類が不足してかぜなどの感染症にかかりやすくなる、糖質が不足して低血糖の状態になるといった症状も現れます。吐き気やめまい、記憶力の低下などは低血糖の人によくみられる症状です。
身体面の原因がない場合はうつ病の可能性がありますので、専門医に相談する必要があります。

治療

大幅な体重減少などで医療機関を受診した場合には、まず低栄養の原因となっている疾患の有無を確認し、疾患が原因でない場合には栄養状態を改善するための指導が行われます。ビタミン剤などのサプリメントや食欲を増進させる薬剤が処方されることもあります。
口からの栄養補給が困難である重度の低栄養に陥っている場合には、消化管や静脈にチューブを挿入して栄養を補給する経管栄養や静脈栄養が検討されることもあります。

セルフケア

まず何が原因で低栄養の状態になっているのかを考え、改善を試みましょう。食べ物が飲み込みにくいなら、細かく刻んだりとろみをつけたりして食べやすくします。一度にたくさん食べられないなら三食にこだわらず、少しずつ何度にも分けて食べるようにしてみましょう。
食事のメニューは穀類など糖質を含むものと卵や肉類などの高たんぱくのものを中心に、ビタミンの豊富な野菜、乳製品などを加えます。少量の食事でも、脂質とカロリーがとれるよう、揚げ物を盛り込むことも効果的です。主食に加えて、「10食品群」といわれる肉・魚・卵・牛乳・大豆・緑黄色野菜・海藻・果物・芋・油をまんべんなくとると、自然と栄養バランスが整います。
孤食でさびしい、食事がつまらないなど心理的な要因がある場合には、家族や周囲の人に相談し、食べることが楽しくなるような改善策を一緒に考えてもらいましょう。

監修

あしかりクリニック 院長

芦刈伊世子

本サービスに掲載される情報は、医師および医療専門職等の監修の元、制作しております。監修者一覧および元となる情報はこちらからご参照ください。

この傷病に関連したQ&A

みんなの家庭の医学 アプリイメージ
アプリでも

みんなの家庭の医学

歩数ゲームやデイリーアドバイス、無料健康相談が利用可能

QRコード

※ご所属先が本サービスを契約いただいている場合のみご利用いただけます。