Question

高齢者の食欲低下

高齢で活動量が減ったせいかあまり食べません。仕方がないのでしょうか。

女性/40代

2022/01/28

Answer

高齢者の食欲の変化には下記のような原因があるといわれています。


① 運動量や筋肉量の低下

筋力の低下により外出する頻度が減ることで、運動量も減りお腹が空かない

② 心因性による食欲低下

家族の死別、施設入居、入院などの環境の変化、孤独感などで、生きる気力の低下による食欲低下

③ 認知症による食欲の変化

認知症の脳の機能の低下で、摂食をつかさどる機能のバランスが崩れることによる食欲の変化

④ 内臓機能の低下

胃腸の機能や消化吸収能力の低下により食欲がわかない

⑤ 味覚、臭覚の変化

味を感じる細胞の数の減少、食べることがおっくうになり亜鉛などのミネラルの不足による味覚障害、内服薬の影響による味覚障害などを要因とする食欲の低下

⑥ 視覚の低下

白内障による色別の変化により、色によるおいしさが失われる

⑦ 口腔の状態

咀嚼や嚥下機能、唾液の分泌量の低下、義歯が合わないことによる食欲の低下


食欲を維持したり、高めたりするためには、義歯の調子や嚥下の状態にあわせ、キザミ食やペースト状にするという工夫もあります。

ただし、食事は五感で楽しむものでもありますから、食材の色、温度、盛りつけなどを工夫し、食欲を高めることも重要です。

また、施設や地域の食事のサービスを利用したり、親戚との食事会など会話をしながらの食事の機会を設けたり、決まった時間に食事をとって生活のリズムを整えることも重要です。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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