膵臓のIPMNとは?
人間ドックの腹部MRI検査で「膵臓に嚢胞がある」と指摘され、消化器内科で検査を受けたところ、膵尾部の分枝型IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)と診断されました。5㎜のものが、半年後に8㎜になっていました。半年に1回、経過観察し、30㎜を超えたら手術を検討するといわれています。腫瘍が大きくなったことや、悪性でないか心配です。
男性/60代
2023/12/09
IPMNは、膵臓の中にある膵液など消化液を分泌する膵管の内側にできる腫瘍で、膵臓の実質内に発生する典型的な通常の膵臓がんとは異なる性質のものです。
膵管は膵臓内にある膵液の通り道で、主膵管とその枝である分枝膵管に大別されます。IPMNは発生する部位によって「主膵管型」と「分枝膵管型(分枝型)」に分けて診断、治療をします。
IPMNの多くは良性の分枝型ですが、一部にはがん化を疑って手術を検討するものもあります。一般的な手術の適応は、主膵管型IPMNのうち主膵管径10㎜以上、分枝型IPMNでは、嚢胞内に明らかなしこりがみられる、主膵管が明らかに太くなっている、急性膵炎などの症状を引き起こすなどの場合です。 手術の適応でない場合は、3~6カ月に一度など、検査結果に応じて定期的な検査によって経過観察を行います。
分枝型IPMNは治療を必要としないものが大半を占め、一生にわたって症状が現れないこともありますが、長期間(通常何年もかかって)の経過を経て前がん状態になったり、膵炎になったりする場合あるので、しっかり様子をみる必要のある病気です。
がんに変化する場合を考え、その前に手術をしたいのは当然ですが、膵臓の果たす役割(消化液などの外分泌やインスリンなどの内分泌)が大きいことから、手術で切除する部分や大きさによっては、からだへの負担が大きい場合もあり、良性の段階で不要な手術は避けたいという側面もあります。
ご相談者は、半年で5㎜から8㎜に大きくなったことを心配しておられますが、主治医が大きさの変化について言及されないのであれば、それほど心配のない状況であると考えられます。
一般的な膵臓をいたわる生活について、以下、ご説明します。なお、健康な生活を心がけ、主治医の指示どおりの経過観察を続けてください。また、そのほかの定期的ながん検診や人間ドックも受けることがすすめられます。
●脂肪をとりすぎず、良質のたんぱく質(魚、肉、卵、大豆・大豆製品)をとる。
●過度な飲酒を避ける。
●禁煙する。
●肥満や糖尿病などの生活習慣病を予防する。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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