Question
WPW症候群のカテーテル治療
WPW症候群を患っており、頻拍発作がたびたび起こります。治療法にカテーテル手術があると聞きましたが、どのような手術ですか。
男性/~10代
2021/12/21
Answer
心臓の拍動を促す電気信号は、心臓上部の心房から下部の心室へと1本の伝導路に沿って伝わります。しかし、WPW症候群では、生まれつき「副伝導路」と呼ばれる余分な伝導路があり、そこにも電気信号が流れます。すると、2つの伝導路の間で電気信号が行き来して電気興奮という状態になり、1分間に150回以上の頻拍が突然発生してしまいます。
この頻拍発作は一生起こる可能性があります。頻繁に発作が出るようになると、突然死を招く重い不整脈に移行することがあるので、治療が必要です。
カテーテル手術では、X線画像と心電図を見ながら、カテーテル(細い管)を心臓まで進め、副伝導路のある場所で500kHzの高周波を電極から流します。すると、電極に触れた組織は壊死し、電気を通さない状態になります。こうして電気興奮が起こらなくなり、頻拍が止まります。
手術時間は1~2時間程度で、局所麻酔で行うことができます。ごくまれに、脈が遅くなる房室ブロックを起こすことがありますが、WPW症候群に伴う頻拍発作に対しては、カテーテル手術が第1選択の治療法です。ただし、手術は不整脈に関する専門医がいる医療機関でおこなうことをおすすめします。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
関連するキーワード
不整脈
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