無症候性心筋虚血むしょうこうせいしんきんきょけつ
最終編集日:2022/1/11
概要
冠動脈が動脈硬化を起こし、十分な血液が供給されなくなった状態を心筋虚血といいます。心筋虚血を起こすと、通常は狭心症として胸の痛みが起こりますが、心筋虚血を起こしていても痛みの自覚症状がない場合があります。これを無症候性心筋虚血と呼びます。自分で気づくことのできる症状がないため、健康診断やほかの病気で診察を受けた際に指摘されることも多い病気です。
原因
発症するのは高齢者や糖尿病を罹患している人が多く、痛みを感じる神経に障害があることが痛みを自覚できない原因だと考えられています。
症状
無症状のものを無症候性心筋虚血と呼んでいるため、痛みなどの自覚しやすい症状はありません。心筋虚血で心不全を起こしている場合には、動作の程度に見合わないほどの動悸や息切れ、呼吸困難や足のむくみなどが見られます。
検査・診断
心電図検査、運動負荷心電図検査、負荷心筋シンチグラフィ(SPECT、PET)検査、負荷心筋灌流MRI検査、冠動脈造影が行われます。
治療
無症候性心筋虚血の治療は狭心症や心筋梗塞に準じたもので、おもに薬物治療を行います。血管拡張薬や血栓ができるのを防ぐ抗血小板薬、抗不整脈薬などに加えて、脂質異常症や糖尿病の治療薬も用いて総合的な治療を行います。
セルフケア
予防
無症候性心筋虚血では、高血圧症や脂質異常症、糖尿病や肥満などの発症因子を持つ患者が多く見られます。日常生活で基礎疾患の改善をはかりながら、動脈硬化を進行させないよう注意することが大切です。
監修
小田原循環器病院 循環器内科院長
杉薫
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