パソコン、テレビ、ゲーム…座りすぎには要注意

最終編集日:2025/1/13

デスクワークのほか、スマホやパソコン、テレビで動画を見たりゲームをしたり……、私たちは日常生活の中で長時間座っていることが多くなりがちです。しかし近年、「座りすぎ」の習慣が健康に悪影響を及ぼすことがわかってきました。日本人は、世界20カ国の中でも1日の座位時間が最も長いというデータもあります。とくに活動量が減る冬は、座りっぱなし生活になりやすいので要注意です。


●なぜ、「座りすぎ」はいけないのか

私たちのからだは、筋肉を動かすことで血液中から糖や脂肪を筋肉の細胞内に取り込んで、エネルギーとして消費しています(エネルギー代謝)。全身の筋肉の約70%は下肢についているため、長時間座っていて足の筋肉を動かさないでいると、血液中の糖や脂肪がうまく消費されず、血液中に糖や脂肪が残って血液がドロドロの状態になりやすくなります。また歩かないことで、ふくらはぎのポンプ機能によって血液を心臓へと戻す力が弱くなり、血液の流れが悪くなります。つまり、座りすぎの習慣が続くと、代謝機能や血流が悪くなり、さまざまな病気になるリスクが高くなるのです。


●「座りすぎ」の悪影響は全身に

長時間、座りっぱなしのデスクワークやスマホ操作などは、肩こりや首こり、腰痛、むくみの原因になります。それだけではありません。座りすぎは運動不足から肥満を招き、糖尿病高血圧から動脈硬化が進んで狭心症心筋梗塞脳卒中のリスクを高めます。心筋梗塞や脳卒中は命に関わる病気です。このほかにも、一部のがんや認知症、抑うつなどにも悪影響を及ぼすことが指摘されるなど、座りすぎの影響は全身に及びます。

さらに、1日の座位時間が4時間未満の人と比べると、11時間以上だった人たちは死亡するリスクが40%も高いという調査報告もあります。


健康寿命を延ばすためには、座りすぎを減らすことが重要です。まずは日常生活の中で、こまめに立ち上がる・歩くことを意識することを心がけましょう。デスクワークをしている人は、できれば30分、少なくても1時間に1度は立ち上がり、ストレッチなどの軽い運動をすることをおすすめします。


監修

早稲田大学 教授

岡 浩一朗

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