ピロリ菌感染を確認する方法は?
胃の中がピロリ菌に感染しているかを知る方法を教えてください。内視鏡を使うのでしょうか。
女性/40代
2022/04/18
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の粘膜の中に生息し、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどの原因のひとつと考えられています。感染しているかを調べる方法はいろいろありますが、内視鏡を使う場合と使わない場合に分けられます。
●内視鏡を使わない検査
①尿素呼気試験(UBT)
ピロリ菌が、尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解する酵素のウレアーゼをもつことを利用し、尿素を含んだ診断薬を服用して、服用前後の呼気を集めて診断します。袋の中に息を吐くだけの比較的簡単な検査ですが、精度の高い検査法です。
②抗体測定法
血中や尿におけるピロリ菌に対する抗体の有無を調べる、最も簡単な検査法のひとつです。ただ、除菌後も抗体価の低下には6~12カ月かかるため、除菌成否判定には不向きな検査法です。
③便中抗原測定法
便の中のピロリ菌抗原の有無を調べる検査です。子どもや集団健診にも利用できる精度の高い検査法です。
●内視鏡を使う検査
①培養法
胃粘膜を採取し、その細菌を培養して調べる検査法です。結果が出るまで5~7日程度かかります。陽性判定は正確ですが、陰性の場合、採取した胃の粘膜にたまたまピロリ菌がいなかった可能性もあり、偽陰性となることがあります。培養されたピロリ菌にどの抗菌薬が効くか、薬剤感受性試験も同時にできます。
②組織鏡検法
採取した胃粘膜の組織を顕微鏡で調べる検査法です。ピロリ菌の有無だけでなく、胃粘膜の炎症の強さや、がん細胞があるか、がんになりやすい胃粘膜があるかなど、さまざまな情報が得られます。
③迅速ウレアーゼ試験(RUT)
胃粘膜を採取し、特殊な液と反応させて調べる検査法です。ピロリ菌のもつウレアーゼという酵素は、この液に反応すると色の変化が起こります。ただし、ウレアーゼをもつ他の菌でも反応してしまうので、偽陽性となる可能性があります。
保険診療でピロリ菌検査を行うためには、胃炎や胃潰瘍または十二指腸潰瘍などの事前診断が必要になります。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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