症状を正しく伝えるコツ

最終編集日:2022/3/30

概要

病気やけがで医療機関を受診した際に、なかなかうまく症状を伝えられない経験を多くの人がしているのではないでしょうか。体調が悪く、すぐに治してもらいたいのに病状が伝わらない状況にイライラして、医師に悪い印象を持ってしまうケースも少なくないようです。
しかし、医師の立場からすると、問診の後に検査をするにしても、正しい診断、適切な治療には、患者さんからの十分な情報が欠かせません。どうすれば十分な情報を伝えることができるのか、医師とのコミュニケーションはどうとればいいのかなどを、事前に考えておく必要があります。

症状を正しく伝えるために

病気やけがの状態を正確に伝えるためには、次のポイントに注意して伝えましょう。

症状のある正確な部位と、症状の強さや状態を伝える

症状がある場所、強さや範囲を正確に伝えます。また、症状の状態、例えば痛みなら「ズキズキ」「キリキリ」「ジンジン」などとわかりやすい表現を使いましょう。


どのくらいつらいのか、どんなことに困っているのかを伝える

今まで経験したつらさを例に出します。また、日常生活や仕事、学業などシチュエーションを明確にして、どんなことに困っているのかを具体的に伝えましょう。


いつ症状が起きたのか、症状が出たきっかけは何かを伝える

何時頃、何をしているときに起こったかを具体的に伝えます。


症状がどのように変わった(悪化、軽減)のかを伝える

症状の変化は医師にとってとても大切な情報です。「強くなったり弱くなったりしている」「だんだん痛みが強くなっている」「強さは変わらないがずっとつづいている」など、具体的に表現しましょう。


ただし、医師の前に座ると、体調がすぐれないうえに緊張してしまい、なかなかうまく話せないこともあります。医師に症状をきちんと伝えるためには、医療機関に行く前にメモをつくっておきましょう。
症状についてだけではなく、不安なこと、確かめたいことなどもまとめておけば、聞き忘れることがなく、短い診察時間でもきちんと相談することができます。またメモ帳をもっていくと、医師の話を書きとめておくこともできます。きちんと聞いている姿勢を表し、待っているほかの患者さんにも配慮して、要領よく症状を伝えることで医師との信頼関係も築くことができます。

受診時の持ち物、約束事

せっかく病院に行ったのに「忘れ物をして受診できなかった」「お薬手帳を忘れてしまった」「脱ぎ着しにくい洋服を着ていったため検査や診察に時間がかかった」などが起こらないように、受診前にしっかりチェックをしておきましょう。
現在医療機関ではマスクの着用と体温測定が求められます。事前にマスク(できれば不織布のもの)を用意し、家で体温を測っておきます。もし、熱がある場合は医療機関の入る前にその旨を伝えて指示に従いましょう。


診察に必要なもの

・診察券
・健康保険証
・身分証明証(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・母子健康手帳
・基礎体温表 ※産婦人科の場合
・お薬手帳 など


身のまわりの必需品

・お金、クレジットカード(診察費支払い用)
・ハンカチ、ティッシュ
・メモ帳、筆記用具
・マスク など


確認しておきたいこと

・アレルギーについて
・過去にかかった大きな病気、入院歴
・服用している薬の種類(市販薬含む)
・体重 など


身だしなみや服装で注意したいこと

・服装、下着は清潔なものを
・検査時に脱ぎ着が簡単にできる服装に
・香水、オーデコロンなどはつけない
・産婦人科ではスカートを着用する
・マスカラやマニキュアなどはしない
・ピアスやイヤリングなどの装飾品は外す など

セカンドオピニオン

セカンドオピニオンとは、患者さんやその家族が、病状にもっとも適した医療を選択するために、現在医療を受けている医療機関の医師とは別の医療機関の医師に、診断内容や治療方針について「第2の意見(セカンドオピニオン)」を求めることです。
診断に対して異なる意見があったり、治療に複数の選択肢があったりする場合、ひとつの意見や治療法を選択するのは、患者さんや家族にとってむずかしいものです。こうしたとき、別の医師の意見を聞き、十分な理解と納得をしたうえで治療を進めることができれば、その後の治療に大きく役立ちます。
セカンドオピニオン担当医は、現在治療を行っている医療機関の医師からの診療情報提供書や検査データ、画像データなどを受け、それをもとに、治療方針に関する意見や説明を行い、必要に応じて報告書を作成します。
現在、大学病院や専門病院にセカンドオピニオン外来が開設されています。ただしセカンドオピニオンには健康保険が適用されていないため、医療機関ごとに料金(自費)が設定されています。
セカンドオピニオンは、別の医師や医療機関に変更したり、違う治療法を選んだりすることが前提ではありません。患者さんが自分にとって何が最適な治療なのか、納得できる選択をするための大変メリットのある仕組みなのです。

監修

寺下医学事務所医学博士

寺下謙三

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