Question

心療内科の受診に不安

仕事のストレスが原因で眠れない日々が続き、食欲も落ちてきました。出勤するのもつらくなり、思い切って心療内科を受診しようかと考えています。でも気が重く、なかなか踏み切れません。不安を少しでも取り払ってから受診をしたいと思います。受診の際に心がけておくことを教えてください。

女性/50代

2021/12/21

Answer

メンタル面での不調が続き、「病院に行ったほうがいいのだろうか」と迷いつつ、実際には心療内科への受診に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。「受診すると精神的な病気と判定されてしまう」、「心療内科の薬を飲むことには抵抗がある」など、一般の診療科とは違う葛藤を抱えてしまうことで、受診のハードルも高く感じる傾向にあるようです。意を決して受診に至っても、「医師とどのように話したらいいかわからない」、「つらさを理解してくれない」などと感じ、受診そのものがストレスになってしまうこともあります。心療内科の特徴を正しく理解し、受診を有意義なものにするために、患者の立場からできることを考えてみたいと思います。


メンタル面での疾患を扱う心療内科や精神科が、他の診療科と異なるところは「医師とのやりとり=問診」が治療の中心になることです。目には見えない症状を、言葉で説明するのはとても難しいことですが、まず、それらを医師に理解してもらうことから治療が始まります。特に初回の診察は、原因や経緯を把握するため、症状が始まったところまでさかのぼり、より丁寧に話を聴くのが一般的です。そのため、初回受診までに、症状の経過を時系列でまとめるなど、自分なりに準備をしておくと話がしやすくなると思います。心療内科のほとんどが予約制なのは、患者一人一人のために、しっかりと時間を確保し、話を聴く体制になっているからと考えられます。


不安のあまり「診察時に伝えたいことを忘れてしまった」、「先生の前で緊張して言えなかった」ということも、よく聞かれます。次回は伝えたいことを、日頃からメモにしておくと、スムーズに受診することができます。また、最近では心療内科が大変混んでいることもあり、診察時間の短さに不満を持つ方も多いようです。限られた時間の中で、伝えたいことをしっかりと話せるよう、患者側にも準備や工夫が求められているように感じています。


「薬については医師に話しにくい」という声もあります。しかし、処方された薬を安心して服用するためには、薬に対する不安や疑問を解消することが重要です。服薬してからどんな変化があったか、副作用があるかないかなど、正確に正直に伝えてください。


「医師と話をすること」は、「患者の状態を正しく把握し理解する」という医師側の役割だけではなく、患者側にとっても「話を聴いてもらって楽になった」、「医師の言葉を聴いて安心した」という効果があります。安心して話せるようになるためには、医師との信頼関係が大切です。相性の問題もあり難しい課題ですが、まずは受診先の医師を信頼し、ありのままの状態を、しっかりと言葉にすることから始めてみましょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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