乳児湿疹

にゅうじしっしん

最終編集日:2023/3/24

概要

乳児湿疹とは、1歳くらいまでの赤ちゃんの肌にできる湿疹の総称です。

食べ物などの刺激に触れる口やあごの周り、皮脂の分泌が多い顔や首、頭のほか、手首や足首などにも現れます。赤いポツポツや小さな水疱がみられる「新生児中毒性紅斑」や、うろこ状のかさぶたを形成する「乳児脂漏性湿疹」など、さまざまなタイプがあります。

多くの場合、正しいスキンケアによって皮膚バリアが備わってくる1歳頃には症状が治まります。乳児湿疹が起こる原因も症状によってさまざまです。同様の症状が2カ月以上つづくアトピー性皮膚炎との鑑別が重要となりますが、初期は乳児湿疹と見分けることがむずかしく、治療しながら経過をみて判断します。

原因

原因は不明なことが多く、状態や月齢によってさまざまです。生後3カ月頃までの赤ちゃんに多い乳児脂漏性湿疹は、胎盤を通して赤ちゃんに伝わった母親の女性ホルモンが皮脂の分泌を促すためと考えられています。また、赤ちゃんは毛穴が小さいので皮脂が詰まりやすく、炎症を起こしやすいのも一因となっています。

生後3カ月以降にできる湿疹は、皮膚のバリア機能の低下や乾燥が原因となります。手足など外気にさらされる部分や、衣服などによる少しの摩擦でも赤みやかゆみが生じます。このほか、よだれによる口の周りのかぶれ、おむつかぶれなどが皮膚炎の原因となることもあります。

症状

乳児湿疹の症状では、原因となる疾患ごとに次のような症状が現れます。


●新生児中毒性紅斑

生後まもなく、赤い斑点(紅斑)の中央に、1~2mmの黄色いとがった発疹(丘疹)、もしくは水ぶくれ(水疱)が、からだのさまざまな部位にできます。くわしい原因は不明ですが、胎内から胎外への急激な環境の変化に適応する過程で起きる生理的な変化と考えられています。通常は2週間ほどで自然に治まります。


●乳児脂漏性湿疹(新生児脂漏性湿疹)

生後2~4 週以降の赤ちゃんに多くみられ、毛髪の生え際や眉毛・顔面・胸部などに赤み(紅斑)や、黄色のかさぶたができ、脂っぽいフケ(脂性鱗屑)が形成されます。患部を清潔に保つことで、自然に治まります。基本的には積極的な治療は不要ですが、赤みやかゆみなどの炎症を伴う場合には、外用薬を使用します。


●新生児ざ瘡(新生児にきび)

生後2週頃より発症し、にきびのような赤や白のブツブツが顔に出ます。生後数カ月以内に治まることがほとんどです。


検査・診断

視診や問診で、患部の状態や月齢、症状の経過などから総合的に診断を行います。症状が2カ月以上つづくときは、医師が皮膚の状態を診てアトピー性皮膚炎と診断します。細菌感染の可能性が考えられる場合には、うみを一部採取し、細菌培養検査を行うことがあります。

治療

積極的な治療をしなくても、適切なスキンケアを行い、皮膚を清潔に保つことで改善していくケースがほとんどです。こうしたケアを行っても症状が長引く、あるいは重症化するような場合には、皮膚の炎症を抑えるためのステロイドの外用薬、細菌感染を抑える抗菌薬入りの外用薬などを使用します。

セルフケア

予防

乳児湿疹を予防したり、症状を改善したりするために以下の3つのポイントに注意しましょう。

・湿疹ができやすい場所を清潔に保つ……乳児湿疹ができやすく皮脂がたまりやすい部位はしっかり洗って清潔な状態を保つようにしましょう

・保湿ケアをこまめに行う……赤ちゃん用の保湿ケア用品を使い、乾燥から肌を守りましょう

・室温や体温を調節して汗の分泌を抑える……赤ちゃんは汗をかきやすく、それが原因で湿疹をひき起こすことがあります。室温や服装をうまく調節して汗のかきすぎを抑えましょう

監修

関東中央病院 皮膚科 部長

鑑慎司

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