Question

外陰部にしこりが…会陰切開と関係ある?

数年前に出産したとき、会陰切開をしました。その付近に直径2㎝位のしこりがあり、徐々に大きくなっているようで気になります。婦人科を受診したほうがよいでしょうか。

女性/30代

2024/11/08

Answer

会陰切開後に、皮膚が盛り上がり、肉芽ができることがありますが、数カ月以内に治るのが一般的です。

外陰部は、おりものの分泌や化学繊維の下着などによって湿度が高い状態になりやすく、細菌感染を起こしやすい部位です。細菌感染や性交などが原因でできる、外陰部のできもの、しこりは、以下のとおりです。

尖圭コンジローマ

おもに性交によってヒトパピローマウイルス(HPV)に感染する性感染症です。外陰部にイボのようなできものが生じることが特徴です。

バルトリン腺炎

腟口の後方にあるバルトリン腺に細菌感染が起こって炎症を起こしている状態です。炎症が起きると、バルトリン腺の開口部がふさがり、分泌液が排泄できずに腫れてバルトリン腺嚢胞ができます。悪化すると、この嚢胞の中まで感染が広がってうみがたまるバルトリン腺膿瘍へと進行します。膿瘍の場合にはうみが出ることによって悪臭があります。

●外陰毛嚢炎

黄色ブドウ球菌や大腸菌に感染することで、陰毛の毛根部周辺にできものが生じる疾患です。かゆみがあるため患部をかいてしまいやすく、できものが破れて内部のうみが排出されると悪臭を放ちます。

粉瘤

外陰部の皮脂腺に詰まりが生じることによって、アテロームと呼ばれる腫瘤ができる疾患です。放っておくと腫瘤が大きくなり、一部が破れて異臭のする皮脂が排出されることがあります。

性器ヘルペス

単純ヘルペスともいわれる、ヘルペスウイルスによる感染症です。外陰部、腟、肛門などに多数の水疱やびらん、強い痛み、かゆみを伴う皮膚粘膜症状が現れます。排尿時にしみる、脚のつけ根のリンパ節が腫れるなどの症状が現れることもあります。


このように外陰部のしこりにはさまざまな可能性があります。症状が改善せず、長引く場合は受診の目安となりますので、一度、婦人科を受診されることをおすすめします。


回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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