急性間質性肺炎
きゅうせいかんしつせいはいえん

最終編集日:2022/3/3

概要

元来、肺に何も病気がない人に突然起こる可能性があるのが急性間質性肺炎です。

肺が短期間(急性)に広範囲にわたって傷害を受け、おもに肺を支える役割を担っている肺の間質(肺胞の壁や肺の支持組織)を中心に炎症を起こす疾患です。

原因

間質性肺炎の原因は関節リウマチや多発性皮膚筋炎などの自己免疫疾患、職業・仕事上で吸入したほこりやカビ、あるいは薬剤(漢方を含む)、サプリメントによる薬剤性肺炎、特殊な感染症などさまざまです。

間質性肺炎のうち、原因を特定できないものを特発性間質性肺炎といい、急性間質性肺炎はそのひとつです。

症状

発熱や乾いたせき(乾性咳嗽)、呼吸困難などが突然に起こり、これらの症状が数日から数週間で急激に重症化し、呼吸不全へと進行していきます。

190_急性間質性肺炎.png

検査・診断

胸部聴診の所見で、パチパチ、バリバリという音が聞かれるのがひとつの特徴です。胸部X線検査で左右の肺の広い範囲に、リンパ球などの炎症細胞が組織へ侵入している陰影がみられると急性間質性肺炎と診断されます。肺からの酸素の取り込みが急激に悪化するため、血中の酸素飽和度が低下します。

治療

診断が確定できなくても、病気の経過から急性間質性肺炎と疑った場合、ステロイド薬を大量に使用する治療、もしくは免疫抑制剤を使う治療を実施します。しかし、呼吸不全などで死に至ることも多く、治療がむずかしい病気です。

セルフケア

予防

喫煙者はすぐに禁煙することが大切です。

かぜなどの感染症をきっかけに急激に進行したり悪化したりすることがあるので、なるべくかぜをひかないように日々の生活のなかで気をつけましょう。

監修

千葉大学病院 呼吸器内科 特任教授

巽浩一郎

この傷病に関連したQ&A

本サービスに掲載される情報は、医師および医療専門職等の監修の元、制作しております。監修者一覧および元となる情報はこちらからご参照ください。
みんなの家庭の医学 アプリイメージ
アプリでも

みんなの家庭の医学

歩数ゲームやデイリーアドバイス、無料健康相談が利用可能

QRコード

※ご所属先が本サービスを契約いただいている場合のみご利用いただけます。