間質性肺炎。定期検査前に症状がある場合は?
せきが続いて呼吸器内科に行ったら、間質性肺炎と診断されました。薬で症状は軽くなり、半年ごとに検査をするとのことでしたが、少し前からたんやせき、背中の痛みなどがあり、悪化しないか心配です。間質性肺炎の今後の経過について教えてください。
男性/50代
2024/03/15
肺炎には、症状や胸部X線検査の病態が感染性の肺炎と似ているのに、抗菌薬が効かないものがあることがわかってきました。抗菌薬の効かない肺炎は、間質性肺炎という症候群でまとめられています。
間質性肺炎には、リウマチなどの膠原病、がんの放射線治療や薬剤によるものなど、原因が明確なものもありますが、原因がわからないものを特発性間質性肺炎といいます。
特発性間質性肺炎には、特発性肺線維症、非特異的間質性肺炎、急性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、呼吸細気管支炎を伴う間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎などの種類があり、タイプによっては予後が良好なものや進行を抑えることを治療の目標とする場合もあります。
治療はステロイド薬を使用し、多くはよく効きます。しかし、いったん症状が改善しても、症状をくり返すことがあるので、医師の指示のもとで経過をみながら慎重にゆっくり薬を減らしたり、必要時に治療を再開する方法がとられます。また、状況によって免疫抑制薬を併用することもあります。
ご相談者の場合、前回の呼吸器内科受診の時点で肺の状態は落ち着いていたため、半年ごとの検査で様子をみてよいとの判断をされたと考えられます。しかし、たんやせきなどの症状がある場合は、次回の受診日を待たずに早めの受診を検討されることをおすすめします。
受診の際は、間質性肺炎のどのタイプなのか、予測される一般的な今後の経過、半年ごとの検査の理由や内容、症状があるときの対応、日常生活の注意点などについて具体的に質問され、疑問や不安を解消しておくとよいでしょう。早めに受診する際の目安についても、あらかじめ呼吸器内科の主治医に相談しておくと安心だと思います。
間質性肺炎は、かぜやインフルエンザなどを契機に、息切れなどが急に強くなるなど、症状に変化が起こることがあります。このため、日ごろからうがいや手洗いなどを行って病原菌の侵入を防ぐことや十分な睡眠、1日3食の栄養バランスのよい食事などで、からだの免疫力を高めることが大切です。
生活習慣を整えることで、肺のよい状態を保って過ごしている方も多くいます。上手に体調管理をして、からだのコンディションを整えて過ごしていくようにしましょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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