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重症化に要注意!気管支肺炎の原因と対策

最終編集日:2026/1/26

気温が低く、空気が乾燥する冬は、ウイルスが遠くに飛びやすくなることから、風邪やインフルエンザにかかる人が増えます。風邪やインフルエンザ感染をきっかけに免疫力が低下し、気管支肺炎を起こす人も少なくありません。高齢者や基礎疾患のある人は重症化しやすいため、注意が必要です。


●細菌やウイルスなどが原因で起こる気管支肺炎

気管支肺炎とは、その原因である細菌やウイルスなどの病原体が肺や気管支に感染することで引き起こされる呼吸器疾患です。おもに次の3つに分類されます。

《細菌性肺炎》

肺炎球菌や黄色ブドウ球菌などの細菌によって起こる肺炎。ヒトからヒトへは直接に感染しません。

《ウイルス性肺炎》

インフルエンザウイルス、RSウイルス新型コロナウイルスなどのウイルスそのものによって起こる肺炎。ウイルス感染はヒトからヒトへうつるものが多くあります。

《非定型肺炎》

マイコプラズマクラミジアなどの上記と異なる特殊な細菌、微生物によって起こる肺炎。これも多くはヒトからヒトへ感染します。

そのほか、飲食物や唾液、胃からの逆流物が誤って気管に侵入することで起こる「誤嚥性肺炎」も気管支肺炎の原因の一つです。


おもな感染経路は、新型コロナウイルスの一部などの「空気感染」、インフルエンザや結核、マイコプラズマなどを発症している人の咳やくしゃみの中の病原体が鼻や口から気管支・肺に入って感染する「飛沫感染」、ドアノブや吊り革などに付着した病原体が手指を介して鼻や口から体内に入って感染する「接触感染」です。


●発熱や咳、痰、倦怠感などがおもな症状

おもな症状は、発熱や咳、痰の増加、倦怠感などです。一般的に、細菌性肺炎は湿った咳や黄緑色の痰、ウイルス性肺炎は高熱や激しい咳、倦怠感、非定型肺炎は乾いた咳が解熱後も長引くといった特徴がみられます。

気管支肺炎の症状は風邪と似ていますが、重症化しやすく、重症化すると呼吸困難、胸痛、意識低下、血圧低下などの深刻な症状が現れ、入院治療が必要になる場合があります。とくに、高齢者や心臓、肺の病気、糖尿病などの基礎疾患がある人は重症化しやすく注意が必要です。


●手洗い、うがい、保湿、マスク着用などで肺炎予防

ウィルス感染を予防するには、感染経路を断って病原体をできるかぎり鼻、口、のどなど体内に入れないことが需要です。こまめに手洗いやうがいをしましょう。うがいは口の中の細菌を減らし細菌性肺炎を減らす効果も期待できます。とくに外出後や食事前に必ず行うことが大切です。のどや鼻の粘膜が乾燥するとウイルスや細菌などが定着しやすくなるので、こまめに水分補給をしましょう。室内が乾燥しているときは加湿器を使う、洗濯物を室内に干すなどして湿度を上げるのもよいでしょう。

人込みや換気の悪い場所では感染のリスクが高まるので、外出時にはマスクの着用が大切です。マスクにはのどや鼻の乾燥を防ぐ効果も期待できます。

さらに、免疫力を落とさないために、栄養バランスのとれた食事や十分な睡眠を心がけるようにしましょう。


●免疫が持続する、新しい「肺炎球菌ワクチン」が登場

肺炎球菌による肺炎を予防し、重症化を防ぐ効果のあるワクチンとして「肺炎球菌ワクチン」があります。肺炎球菌は健常者の鼻咽頭に常在することが多い細菌です。

子どもや高齢者、基礎疾患のある人にはワクチン接種が推奨されています。成人の場合は、現在、23種類の肺炎球菌に対応する「23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(ニューモバックスNPⓇ)」が定期接種になっています。対象は65歳の人と、60〜64歳で特定の基礎疾患がある人で、生涯に1回限り、公費補助が受けられます。

これに加え、21種類の肺炎球菌に対応できる、成人に特化した「21価肺炎球菌結合型ワクチン(キャップバックスⓇ」が2025年8月に承認され、同年10月より任意で接種できるようになりました。従来よりも免疫の持続期間が長く、質の高い抗体がつくられることから、生涯一回で完結するワクチンとして期待されています。対象は高齢者と肺炎球菌に感染するリスクが高いとみられる成人(15歳以上)です。とくに高齢者や基礎疾患のある人は、医師と相談のうえ接種を検討しましょう。



※2026年1月13日現在の内容です。




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監修

日本医科大学 呼吸ケアクリニック 所長

日野 光紀