急激な体重減少は病気が原因の場合も…
最終編集日:2025/9/1
BMI(体格指数: 体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m)が18.5未満の場合、「やせ(低体重)」と判定されます(日本肥満学会)。
また、標準体重を20%以上下回る場合や、6カ月以内に10%以上の体重減少がある場合は、病的な「やせ」状態(るい痩)と判断される場合があります。病的なやせは、病気が原因の場合もあり、注意が必要です。また、体重減少のほかに発熱、全身倦怠感、咳などの呼吸器症状、便に血が混じる、のどの渇き、多尿、発汗、頻脈、動悸などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
●急激な体重減少で疑われる病気とは
急激な体重の減少には、おもに次のような原因が考えられます。
・摂取エネルギーの不足
病気が原因で食べられない、または食欲不振に陥ることで体重が減少します。
消化器の病気、歯の病気、肝臓や腎臓の病気、うつ病、がんなどが疑われます。
・摂取したエネルギーを十分に活用できない
からだの機能低下により、うまく消化・吸収できないために体重が減少します。
・消費エネルギーが過剰、摂取エネルギーの消失
普通に食べていても、消費エネルギーが過剰になったり、嘔吐や下痢などでエネルギーが摂取できないことで体重が減少します。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、がん、感染症などの病気が疑われます。バセドウ病の場合、甲状腺ホルモンが多く分泌されることで、常に全速力で走っている状態で、普通に食べても体重が減少していきます。また、摂食障害による下剤の乱用や嘔吐により、食事によるエネルギー摂取ができない場合は、当然、体重は減少します。
また、加齢に伴い食欲が低下して低栄養状態に陥ることで体重が減少したり、若い女性に多く見られるような無理なダイエットで「やせ」の状態になったりします。そのほか、薬剤が原因で食欲不振や味覚障害、嚥下障害などが起こり、「やせ」につながることもあります。
●適正な体重にもどすセルフケア
からだに必要なエネルギーをとるために、1日3食、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。特に、私たちのからだを構成する細胞、筋肉、臓器、血液、骨などの主原料となる栄養素で、エネルギー源にもなるたんぱく質を含む食品は、積極的にとることが大切です。毎日の食事では、次のことを意識して、「やせ」を改善しましょう。
・ご飯、パン、めんなどの主食を毎食とる。
・肉、魚、卵、納豆・豆腐などたんぱく質のおかずを毎食1品とる。
・野菜、芋などのおかずを毎食1~2皿程度とる。
・1日に、牛乳(またはヨーグルト)は200mL、果物は200g程度とるようにする
食欲がなく、食事量が少ない人は、間食をして食べる回数を増やすとよいでしょう。たんぱく質とエネルギーがとれる間食(ヨーグルト、アイスクリーム、ホットケーキ、プリン、クッキー、サンドイッチ、ケーキなど)がおすすめです。
監修
みんなの家庭の医学メディカルチーム