有酸素運動と無酸素運動の違いとは?

最終編集日:2024/10/21

健康維持のために運動は不可欠ですが、目的とする効果を得るには有酸素運動と無酸素運動の2つの運動の違い、それぞれのメリットを理解して効率よく運動することが大切です。


●有酸素運動とは

有酸素運動とは、筋肉を動かすエネルギーを供給するときに酸素を使う運動をいいます。エネルギー源となるのは体内の糖質(グリコーゲン)と脂肪で、酸素を使ってこれらを分解してエネルギーを供給します。

代表的な有酸素運動には、ウォーキング、ジョギング、ランニング、水泳、サイクリング、エアロビクスなどがあります。筋肉への負荷が少なく、運動の強度が比較的低いため、長時間、無理なく続けることができるのが特徴です。

肥満を解消したい人や、高血圧症糖尿病脂質異常症などの生活習慣病の予防・改善をしたい人に適しています。


【有酸素運動のメリット】

・肥満解消

エネルギーを多く消費できるため、肥満の解消が期待できる。

・全身持久力(最大酸素摂取能力)を高める

肺の酸素取り込み機能や、心臓・動脈の酸素運搬機能が改善し、全身持久力が向上する。全身持久力が高い人は、生活習慣病やがんのリスクが低く、長生きする可能性が高いことがわかっている。

・高血圧症、糖尿病、脂質異常症の予防・改善

有酸素運動によって血管の柔軟性が高まることで血圧が低下するほか、糖代謝が改善されて血糖値が低下する効果が期待できる。また、血液中の中性脂肪が分解されやすくなり、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が増えることで、脂質異常症の改善が期待できる。


そのほか、有酸素運動は幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを増やすため、ストレス解消や睡眠の質の改善にも効果が期待できます。

●無酸素運動

無酸素運動とは、筋肉を動かすエネルギーを供給するときに酸素を使わない運動をいいます。エネルギー源となるのは糖質で、筋肉に蓄えられているグリコーゲンや、血液中にあるブドウ糖が使われます。

代表的な無酸素運動には、短距離走、腕立て伏せ、スクワット、上体起こし、ダンベルを使った筋力トレーニングなどがあります。短時間に筋肉へ大きな負荷をかけて行う運動で、筋力アップや基礎代謝を高めたい人におすすめです。


【無酸素運動のメリット】

・筋肉量が増えて基礎代謝がアップ

筋肉量に比例して基礎代謝量(生きていくために必要最低限のエネルギー)もアップすることにより、太りにくい体になる。

・筋力がアップ

日常生活の動作がスムーズになるほか、加齢による筋力低下で起こるサルコペニアの予防になる。


●有酸素運動と無酸素運動を組み合わせる

健康維持のためには、有酸素運動と無酸素運動を上手に生活の中に取り入れることが大切です。1日8,000歩を目標に体を動かすとともに、息がはずみ汗をかく程度の有酸素運動を週に60分程度、無酸素運動を週に2~3回行うとよいでしょう。


監修

早稲田大学スポーツ科学学術院 准教授

谷澤薫平

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