フレイル、サルコペニア対策で健康長寿を実現!

最終編集日:2024/9/16

9月の第3月曜日は、高齢者を敬い長寿を祝う「敬老の日」。人生100年時代、いつまでも自分らしく生活していくためには、できるだけ健康寿命(健康で自立した生活を送ることができる期間)を延ばすことが重要で、そのカギとなるのがフレイルとサルコペニア対策です。


●フレイルとは

フレイル(虚弱)は、加齢により身体機能や認知機能などが低下した状態で、健康と要介護の中間といえます。高齢期になると、あまり食べない、運動しない、家に閉じこもるという生活になりがちです。その結果、フレイルが進行して要介護状態になるリスクが高まります。

しかし、フレイルの段階で生活習慣の改善や、社会活動への参加、病気の治療など、適切な対策を行えば、健康な状態に戻る可能性があります。


●サルコペニアとは

フレイルの人に多いサルコペニアは、加齢に伴い筋肉量が減少して筋力が低下した状態(疾病)をいいます。日常動作に不可欠なからだの筋力が低下すると、少しの段差でつまずいて転倒する、ペットボトルの蓋が開けられない、青信号のうちに横断歩道を渡り切れないなど、日常生活にさまざまな支障が生じやすくなります。特に、転倒による骨折は要介護状態になるリスクを高めます。


低栄養がサルコペニア、フレイルを招く

高齢期は、活動量や口腔機能(咀嚼機能、嚥下機能など)の低下などによって1日の食事量が低下し、低栄養に陥りやすくなります。低栄養は筋肉量の減少につながり、サルコペニアを招いてフレイルを進行させます。

サルコペニア、フレイルを予防するには、低栄養対策を意識した食生活を心がけることが重要です。それには1日3食、さまざまな食品からバランスよく栄養をとるようにします。さらに、筋肉の材料となるたんぱく質を多く含む肉、魚、卵、牛乳、大豆製品などを積極的にとるようにしましょう。サルコペニア対策として、1日のたんぱく質摂取量の目安は、体重1㎏あたり1.2~1.5g程度とされています。65㎏の人なら78~97.5g程度です。

たんぱく質のとり方としては、1日3食の食事の中で、必ず肉料理、魚料理、卵料理をそれぞれ1回は取り入れるようにし、加えて牛乳をコップ1杯、豆腐や納豆などの大豆製品を食べることをポイントにするとよいでしょう。また、肉や魚、卵、大豆製品、いも、野菜など多種類のおかずで、ごはん、パンなどを少なめにすると、炭水化物以外のさまざまな栄養素が増えて栄養素密度が高い食事がとれます。高たんぱくで栄養密度の高い食事にすれば、加齢による筋肉量の減少を抑える効果が期待できます。


監修

東京都健康長寿医療センター研究所 研究副部長

笹井浩行

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