乳房の痛み
最終編集日:2024/1/19
概要
年齢や出産、または乳腺症などの疾患の影響で乳房に痛みを感じることがあります。乳房の痛みの原因には次のようなものがあります。
●思春期の乳房痛
思春期の女性にみられる乳房痛は、乳腺の発達によるものがほとんどです。いわば成長痛のようなもので、からだが成熟するとともに痛みも消失します。
●月経前の乳房痛
月経に伴う黄体ホルモンの影響で乳房痛が生じることがあります。月経が始まる前に痛くなり、月経が始まると痛みが消失します。これも生理現象のひとつで、心配する必要はありません。
●授乳中の乳房痛
授乳中の乳房痛は、乳腺に母乳がたまってしまうことによって起こります。そのままにしておくと、うっ滞性乳腺炎を発症する恐れがあるため、痛みがあったら初期のうちに母乳を出しておくことが重要です。ほとんどの場合は、赤ちゃんに飲ませたり手で絞り出したりすることで解消します。痛みのある場所は温めず、冷やすようにしましょう。
●乳腺症による乳房痛
30〜40代の女性にみられる乳房痛は、乳腺症であるケースが多くあります。しこりができたり、乳頭から分泌物が出たりすることもあります。乳腺症は良性の疾患ですが、乳がんとの識別を行うことが大切です。
受診の目安
救急車を呼ぶ・ただちに医療機関を受診
・38℃以上の高熱が出て、悪寒や関節痛などの症状がある
・乳房が赤く腫れて強い痛みがある
医療機関を受診
・授乳中の乳房痛が母乳を出しても治まらない
・授乳中の母乳が黄色味を帯びている
・固さのない、はっきりしないしこりがある
・乳頭から分泌物が出る
様子をみる
・思春期の乳房痛である
・月経前の乳房痛である
セルフケア
入浴時など日頃から自己触診を心がけ、異常を感じた場合は、恥ずかしがらずに医療機関を受診しましょう。
考えられる病気
監修
小山嵩夫クリニック 院長
小山嵩夫