手の乾燥、手の赤み
最終編集日:2024/1/19
概要
手の乾燥やそれに伴う赤みは、皮膚の一番外側の角質層が水分不足になって乾燥した状態です。角質層は外部刺激から皮膚を守るとともに、適度な水分を保って皮膚のバリア機能を強くする役目を担っています。
手の皮膚は水洗いや洗剤、外気などに常にさらされているため、トラブルを起こしやすい部位でもあります。手の乾燥や赤みを起こす疾患には次のようなものがあります。
●手湿疹
手湿疹は、赤み、カサカサ(乾燥)、皮膚が硬くなる、亀裂(ひび割れ)、びらん(皮むけ)といった症状がみられ、かゆみを伴います。
●アレルギー性接触皮膚炎
原因となる物質に触れることによって慢性的な皮膚炎が現れる病気で、乾燥や赤み、かゆみなどの症状が出ます。なかなか治らず慢性化することもあります。
●乾皮症
おもに加齢によって皮膚にある脂、皮脂が減少して、乾燥や赤み、かゆみが現れる疾患です。とくに乾燥した冬に多発します。
●皮膚真菌症
カンジダ性指間びらん症、手のみずむし(手白癬)のことで、カビが原因で発症します。カンジダ性指間びらん症では指の間の皮膚が赤くなり皮がむけます。手白癬では皮膚がガサガサになったり、水疱ができたり、皮がむけたりしますが、赤みは伴いません。
●そのほか
こうした皮膚の疾患以外にも、肝臓の病気、更年期障害、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病、糖尿病、甲状腺機能低下症などの症状のひとつとして、手の赤みが現れることがあります。
受診の目安
医療機関を受診
・乾燥がひどくあかぎれしている
・痛くて手作業がしにくい
・乾燥だけでなくかゆみも出てきた
・乾燥と赤みがなかなか治らない
様子をみる
・ハンドクリームを塗ったらよくなった
セルフケア
まずは乾燥を防ぐことが大切です。外出時や水仕事をするときは手袋をして、こまめに保湿効果が期待できるハンドクリームを塗りましょう。
またふだん使用している洗剤や石けん、シャンプーなどを刺激の少ないタイプに変えるのもおすすめです。
考えられる病気
監修
関東中央病院 皮膚科 部長
鑑慎司
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