意識に障害がある、意識の混濁
最終編集日:2024/1/19
概要
自分や周囲のこと、時間などをはっきり認識して判断できる状態を「意識清明」といい、この状態ではないことを意識に障害がある、あるいは「意識障害」といいます。意識が混濁した状態(「意識混濁」)とは、比較的軽い意識障害がある場合によく用いられる表現です。
意識障害は程度によって、「傾眠」「昏迷」「半昏睡」「昏睡」に分類されます。
●傾眠
声をかけたりすると覚醒して、はっきりするが、放っておくと眠ってしまう状態
●昏迷
からだを揺すったり、大声で呼びかけたりするなど強い刺激を加えると反応する状態
●半昏睡
からだを揺すったり、大声で呼びかけたりするなど強い刺激を加えると刺激を避けようとして顔をしかめたりする状態
●昏睡
目は閉じたままで、外部からの刺激にまったく反応しない状態
意識障害の原因には脳自身の障害である機能障害によるものと、脳以外の原因で血流や代謝に異常をきたしたために脳の機能が低下して起こるものがあります。
脳や心臓の血管障害、不整脈、てんかん発作から、肺・肝臓・腎臓などの機能不全、重篤な症状を示す感染症、外傷、薬剤、強度の緊張やストレスなどが考えられます。
意識障害は性別、年齢に関係なく起こりますが、高齢者により多い傾向があります。高齢者では身体機能の予備力低下に加えて、複数の薬剤を服用しているケースが多いこともその要因になっています。
受診の目安
救急車を呼ぶ・ただちに医療機関を受診
・倒れてまったく意識がない
・急に頭痛、めまいを訴え、意識混濁がみられる
・運動中に急に倒れ、意識の混濁、手足の脱力がある
・声をかけると反応するが、また眠ってしまう
・呼びかけに反応するが、起きることができない
・倒れたときにけが(強い打撲、出血、強い痛み、傷などを伴う)をした
・てんかん発作がつづいたり、くり返す
・倒れた人から強いアルコール臭がする
医療機関を受診
・てんかん発作ですぐに意識が戻った
・意識はすぐに戻ったが高齢者である
・意識は戻ったが前にも意識障害を起こしたことがある
セルフケア
「意識に障害がある」「意識が混濁する」などの症状が起こった場合、本人は何もできません。周囲の人が救急車を呼び、医療機関に搬送するなどの対処が大切です。
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監修
昭和大学 医学部脳神経外科 名誉教授
藤本司
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