腹のしこり

最終編集日:2024/1/19

概要

腹のしこりは、便秘で腸内にたまった便をしこりと感じたり、みぞおち付近にある剣状突起をしこりと感じたりすることもよくあります。

ただ、腹部には消化器を始めさまざまな臓器があるので、注意が必要です。良性の腫瘍や炎症性のしこりの場合もありますが、胃がんや肝がん、大腸がんなど悪性の腫瘍であるケースもあります。男性の場合、前立腺肥大が影響して膀胱が腫れ、これをしこりと感じることもあります。

女性の場合は、しこりがあり経血量が多い場合は子宮筋腫が、しこりと腹痛を伴う場合は卵巣嚢腫が疑われます。

高齢者の場合は、へそ周りに腫瘤ができ、しこりと拍動を感じる場合は腹部動脈瘤が考えられ、腹痛と嘔吐、便秘を伴う場合はS状結腸軸捻転症かもしれません。

子どもの場合はとくに注意が必要です。しこりを感じる病気には神経芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、腸重積症などがあります。

受診の目安

救急車を呼ぶ・ただちに医療機関を受診

・腹部にしこりがあり、急に激しい腹痛や嘔吐が起こった

医療機関を受診

・おなかを押したらしこりに触れた

・おなかのしこりが大きくなっているような気がする

・しこりがあり、経血量がいつもより多い

・子どものおなかにしこりをみつけた

様子をみる

・2〜3日便が出ていない

セルフケア

腹のしこりは、便秘が原因の場合はマッサージをする、軽い運動をするなどで効果が出ることがありますが、性別・年代にかかわらず、腹にしこりがある場合には放置すると危険です。自己判断せずに、すぐに医療機関で診察や検査を受けることをおすすめします。

考えられる病気

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監修

宮川病院 内科部長

宮川めぐみ