鼠径ヘルニアが再発しました

大人の鼠径ヘルニアは、再発の場合もそうでない場合も、通常、自然に治るということはありません。確実に治すには手術以外にはなく、再度手術が検討されることが一般的です。

一般的な鼠径ヘルニアの治療法は、ヘルニアの突出した部分を人工のメッシュ（布）で塞ぐ方法です。手術には、外側から当てる方法と内側から当てる方法があります。

メッシュがからだの組織にしっかり固定され、動かないようになるには、ある程度の時間が必要で、個人差はありますが、1カ月程度かかるようです。また、手術時にメッシュを糸で固定するため、通常の動作ではメッシュが動く心配はありませんが、からだを極端に曲げたり、重い荷物を持ったりするなど、強く腹圧がかかる動作をすると、固定していた糸やその周りが切れたり、メッシュが動いてしまうことがあります。

もし再手術をする場合、一般的には同じ医療機関で手術を受けることを検討します。なぜなら、前回の手術の状態や術後の経過がわかった上で対応できるため、より慎重に治療が行われると考えられます。

病院を変えて治療を受ける場合は、事前に受診先の医師にこれまでの経緯について詳しく説明し、事情を理解してもらう必要があります。

ただし、医療機関や医師によっては、前回の手術の経緯がよくわからないことを理由に、再手術を引き受けてもらえないこともあります。もし新たな医療機関の受診を希望する場合は、現在かかっている医療機関から今までの経過がわかる診療情報提供書(医療データおよび紹介状など)を作成してもらうことをおすすめします。