症状がなくてもピロリ菌の除菌は必要なのか?
健康診断でピロリ菌に感染していることが判明しました。とくに困った症状もないのですが、除菌をしたほうがよいのでしょうか? また、除菌するとしたら、保険は適用されますか?
女性/40代
2024/12/07
ピロリ菌は胃の粘膜にすみついて慢性的な胃炎を引き起こし、胃がんや胃・十二指腸潰瘍の発生源となることもあります。慢性胃炎の場合、無症状でも胃の状態が悪くなっていることがあり、除菌がすすめられます。まずは検診結果を持参して、消化器科の専門医を受診し、現在の状態について医師に意見を聞き、除菌の必要性について相談されることをおすすめします。
除菌を行うメリットは、胃潰瘍などの症状を改善すること、胃がんの発性を抑制できることです。胃潰瘍においては多くが改善し、再発を抑制します。また、特発性血小板減少紫斑病という血液の病気も、除菌後は6割前後に改善が認められていますし、萎縮性胃炎が改善するという報告もあります。
デメリットとしては、軟便、下痢、口内炎、味覚異常などの副作用が挙げられます。除菌後に、もともとあった逆流性食道炎が悪化したり新たに発症したりするという報告のほか、発疹や発熱、腹痛などがみられることもあります。
一般には、ペプシノゲン検査で異常がみられた場合や胃が荒れている場合の多くは、除菌をすすめられます。一方、無症状で、検査によりピロリ菌が見つかった場合に除菌をするかどうかは、議論が分かれるところです。
除菌治療における保険の適用については、従来、胃・十二指腸潰瘍、早期胃がんの治療後など、症状が進んだ状態でなければ受けられませんでした。しかし、除菌治療による将来的な胃がん予防効果が認められたことから、2013年にピロリ菌による慢性胃炎の人にも保険の適用範囲が広げられました。ピロリ菌感染があり、医師によって内視鏡検査等で慢性胃炎と診断されれば、保険が適用されます。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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