ピロリ菌に感染したときの症状は?
ヘリコバクター・ピロリ菌とはどんな菌ですか? 感染した場合の症状についてチェックする方法はありますか?
女性/50代
2023/08/08
ヘリコバクター菌は、正式にはヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)といい、胃の粘膜に感染して胃炎などの病気を引き起こす細菌です。1970年代には40歳以上の8割がこのピロリ菌に感染しているといわれていましたが、現在では同年代で6割近くに減ってきています。しかし、現在も少なくとも3500万人が感染していると推定されています。
ピロリ菌は乳幼児期に感染しやすいとされ、以前は飲み水などに混入した菌による感染が多かったようですが、最近では衛生状態の改善により減り、感染している家族、とくに母から子への感染が多いと考えられています。
ピロリ菌感染を調べる方法は大別すると内視鏡(胃カメラ)検査を行う方法と、行わない方法があります。現在は、比較的簡単にできて判定精度の高い、吐き出した息を調べる「尿素呼気試験法(UBT)」がよく用いられています。
ピロリ菌に感染していること自体の自覚症状はありません。しかし、感染の持続により、慢性胃炎をはじめ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がん、胃過形成性ポリープなどの消化器のさまざまな病気を引き起こす可能性があります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者さんの8~9割はピロリ菌に感染しているといわれています。ピロリ菌がいる患者さんは胃潰瘍の治療をしても再発しやすく、ピロリ菌の除菌治療を行うと再発はほとんどなくなることもわかっています。
また、ピロリ菌は特発性血小板減少性紫斑病や鉄欠乏性貧血、慢性じんましんなど、消化器疾患以外の病気にも関連しているため、感染が発覚したら除菌治療の必要性について医師に検討してもらう必要があります。治療を行うかどうかは、その人の状態によります。
除菌治療は、通常は3種類の薬(2種類の抗生物質と1種類の胃薬)を朝夕2回、7日間服用します。この初回治療で約7~8割の人は除菌に成功しますが、除菌ができなかった場合は、使用する薬を変更して再除菌を行います。再除菌では8~9割が成功します。確実な除菌のためには、医師の指示どおりの服薬と除菌後の判定を行う必要があります。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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