特発性血小板減少性紫斑病
とくはつせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう

最終編集日:2021/12/21

概要

特発性血小板減少性紫斑病(Idiopathic thrombocytopenic purpura:ITP)は、とくに明確な原因がないにもかかわらず血液中の血小板が減少し、出血しやすくなる病気です。免疫性血小板減少性紫斑病ともいいます。

ITPには発症から6カ月以内に回復する「急性型」と6カ月以上血小板の減少がつづく「慢性型」があります。急性型は子どもに多く、慢性型は成人に多い傾向があります。ITPは国の難病に指定されているので、医療費の補助を受けることができます。

原因

自分の血小板に対する抗体、つまり自己抗体ができることによって、脾臓などで血小板が破壊されることが原因だと考えられています。ただし、なぜ血小板に対する自己抗体ができるのかなどのメカニズムに関しては解明されていません。成人の場合、胃のなかのピロリ菌感染が関与しているものも半数ほどあります。

症状

血小板は出血を止めるという大切な役割をもっています。そのため血小板が減少すると、出血しやすい、出血が止まらないなどの症状が現れます。

具体的には、点状や斑状の皮下出血、歯ぐきや口腔粘膜からの出血、鼻血、便や尿に血が混じる、女性の月経過多などがあります。重篤な場合には脳出血が起きやすくなります。

検査・診断

正常なら15万〜30万/μLある血小板数が、10万/μL未満まで減少するとITPが疑われます。

まず骨髄検査で白血病、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、薬剤による血小板減少症など血液関連の病気がないかを確認します。胃にピロリ菌がいると血小板の減少がみられるため、ピロリ菌の有無も調べます。

血液検査で血小板に対する抗体の有無を調べ、診断を行います。

治療

子どもに多い急性のITPは6カ月以内に自然に治ることが多いので、出血症状が強く出ていなければ経過観察を行います。

成人に多い慢性のITPでは、ピロリ菌検査が陽性である場合には除菌を行います。これにより多くのケースで血小板が増加します。

除菌による効果が現れない場合やピロリ菌が陰性の場合は、副腎皮質ステロイドを使った薬剤療法が行われます。それでも効果が現れない場合には脾臓摘出などの手術が検討されます。

近年では新たな治療薬も開発されています。ただ、こうした新薬もITPそのものを治す薬ではなく、血小板を増加させる薬のため、継続的な投与が必要です。副作用などを考慮する必要もあり、血小板数を3万/μL以上に維持するのに必要な最小限の薬剤量の使用にとどめるべきとの研究報告も出されています。

セルフケア

療養中

ITPと診断された場合は、かぜなどの感染症によって急速に血小板が減少することがあります。常に皮膚の内出血、鼻血、口腔内の出血の有無を確認しておく必要があります。また、軽いスポーツは問題ありませんが、サッカー、柔道、スキー、スノーボードなど打撲が懸念される運動は避けなければなりません。

監修

寺下医学事務所医学博士

寺下謙三

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