単純性紫斑

たんじゅんせいしはん

最終編集日:2022/10/31

概要

この病気は、四肢(とくに下肢)・臀部・上腕に、ぶつけるなどの刺激がないにもかかわらず、小さな点状の出血斑(紫斑)が現れるものです。出血の原因となる病気が特定できない場合につく診断名が単純性紫斑です。

20〜40歳代の女性に多くみられ、過労や月経に関係があるといわれています。通常、紫斑が唯一の症状で、ほかに出血症状が認められず、紫斑は自然に消えていくのでとくに治療の必要はありません


原因

原因は不明ですが、次のこととの関連が考えられます。

・毛細血管の壁が弱いため、自覚のない軽い刺激でも出血してしまう

・筋肉内の動静脈から枝分かれした毛細血管は、皮下の脂肪層を通って皮膚まで到達しており、この皮下脂肪が分厚いほど負荷がかかったときに生じるひずみが大きく、細くてもろい毛細血管は切れて出血しやすい

・20〜40歳代の女性に多くみられ、過労や月経で紫斑が現れやすいため、ホルモンの血管への影響が考えられる

・春、秋に多く発症する傾向がある

・家族にあざができやすい人がいる


症状

明らかな外傷がなく、とくにぶつけた覚えがないにもかかわらず、四肢(とくに下肢)・殿部・上腕に皮下出血が現れます。紫斑は、米粒大の点状で多数散在します。

紫斑ができることに伴って、貧血やほかの部位の出血(消化管出血、脳出血など)などの健康被害が生じることはありません。


検査・診断

出血をひき起こす原因が特定できない場合に、単純性紫斑と診断されます。

まず、紫斑以外の自覚症状はなく、血液検査で出血性素因(血小板数・出血時間・凝固時間)が正常であることを確認します。次に、紫斑が現れるほかの病気ではないことを確かめる必要があります。


治療

通常、治療は行わずに安静にして経過観察するのが一般的です。ほとんどは数週間で色調が変化し、最終的には消失します。症状によっては、血管を強化するためにビタミンCの内服薬が処方されることがあります。

また、月経痛や頭痛に用いるNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)は、血小板機能低下をもたらすことがあり、単純性紫斑の症状を悪化させる恐れがあるため、使用を控えることも検討されます。


監修

関東中央病院 皮膚科 部長

鑑慎司

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