結核性胸膜炎けっかくせいきょうまくえん
最終編集日:2022/1/11
概要
健康な状態では、壁側胸膜から胸腔(肋骨と横隔膜に囲まれており、なかに肺が入っています)にむかって一定量の胸水が漏れ出ています。ただし臓側胸膜から吸収されてしまうため胸水がたまることはありません。
胸膜に炎症が起こり、この流れが乱れると胸水の量が増えて胸腔に胸水がたまってしまう状態が胸膜炎です。原因となる炎症が結核菌感染によるもので起こるのが結核性胸膜炎です。
原因
結核菌の感染による胸膜の炎症が原因です。
症状
発熱、せき、たん、血痰、息切れ、胸の激しい痛み、体重の減少などが起こります。また胸水が胸腔内にたまることで呼吸困難を起こすこともあります。
検査・診断
問診、視診、胸の聴打診で、結核性胸膜炎が疑われる場合には、胸水のたまり具合をみるため胸部X線検査を行います。さらにCT検査や胸水を採取して行う胸水検査を行います。
治療
結核性胸膜炎は薬を使った治療が行われます。おもに使われている治療薬にはリファンピシン、イソニアジド、ピラジナミド、エタンブトール、ストレプトマイシンがあります。一般には、この4つの薬(リファンピシン、イソニアジド、ピラジナミド、エタンブトール)を併用して治療が行われています。
セルフケア
療養中
肺結核を伴わない結核性胸膜炎だけの症状の場合は、排菌がないため(結核菌を他人にうつす可能性がきわめて低いため)、隔離をされないことが多いようです。
監修
千葉大学病院 呼吸器内科特任教授
巽浩一郎
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