慢性疲労症候群

まんせいひろうしょうこうぐん

最終編集日:2021/12/21

概要

慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome:CFS)は、これまで健康に生活していた人に原因不明の倦怠感、微熱、頭痛、筋肉痛、精神神経症状などが起こる病気です。症状は慢性的で長期にわたり、そのため通常の社会生活に支障をきたします。

1988年に米国疾病対策センター(CDC)が提唱した比較的新しい病気の概念で、イギリスやカナダなどでは筋痛性脳脊髄炎(Myalgic Encephalomyelitis:ME)と呼ばれています。

慢性疲労症候群は、患者の健康や社会活動に深刻な影響を及ぼす全身性の慢性疾患であり、進行すると生活や人生そのものが破壊される深刻な状態に陥ります。日本でも慢性疲労症候群の症状を訴える人は増加傾向にあり、医学的観点からだけでなく、経済的な損失の面からも社会問題になっています。

慢性疲労症候群という病名から、「さぼっている」「やる気がない」などの誤解や偏見を生むケースがあり、近年では“筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)”と呼ぶことが増えています。

原因

現在、遺伝子や免疫、ウイルスなどさまざまな角度から研究されていますが、慢性疲労症候群の原因はわかっていません。

症状

通常の生活が営めなくなるほどの強い倦怠感や疲労感が現れ、休養しても回復しない状態が6カ月以上つづきます。

併発する症状は、発熱、リンパ節腫大、咽頭痛、頭痛、筋肉痛、関節痛、脱力感、睡眠障害、思考力低下、抑うつ、不安など多彩です。

検査・診断

慢性疲労症候群は診断がむずかしく、まずほかの病気、たとえば慢性臓器不全、慢性感染症、慢性炎症性疾患、神経性および代謝・内分泌疾患、双極性障害、統合失調症、精神病性うつ病などに罹患していないことを確認したうえで、次のような状態である場合に診断されます。

・発症時期がはっきりしている慢性的な疲労によって、これまでの活動レベルからの大幅な低下が6カ月以上つづいている

・何かをしたあとに極度の倦怠感がおとずれる

・いくら眠っても熟睡感や回復感を伴わない睡眠障害がある

治療

慢性疲労症候群の有効な治療法は確立されていません。

現在、効果があるとされる治療法には漢方薬治療、認知行動療法、向精神薬治療、抗神経炎症薬剤などがあり、検証や研究が進められています。

セルフケア

療養中

まず、心身ともに休養をとることが大切です。ただし、ストレス解消と考えての運動や旅行も疲労感が残る場合は逆効果になります。主治医とよく相談して、内科的なアプローチに精神科的なアプローチも加え、あせらず疲労感の解消を目指す必要があります。

病後

まず、心身ともに休養をとることが大切です。ただし、ストレス解消と考えての運動や旅行も疲労感が残る場合は逆効果になります。主治医とよく相談して、内科的なアプローチに精神科的なアプローチも加え、あせらず疲労感の解消を目指す必要があります。

予防

慢性疲労症候群を発症しやすい人には、協調性に富んでいる、忍耐力が強い、奥ゆかしく礼儀正しい、などの性格的傾向があると考えられています。周囲を気遣い、皆の期待に応えようと努力する人に多いようです。

こうした傾向にあてはまると感じる場合は、常にこころとからだの健康を意識して、過剰なストレスを抱えないようにすることが大切です。

監修

寺下医学事務所 医学博士

寺下謙三

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