化学物質過敏症

かがくぶっしつかびんしょう

最終編集日:2022/4/11

概要

日常生活のなかの微量な化学物質に接触したり、または吸い込んだりすることで、多様な症状を訴える状態が、化学物質過敏症です。

過去にかなり大量の化学物質に一度接触して急性中毒症状が出現した後か、または人体にとって有害な化学物質に長期にわたって接触しつづけた結果、かなり少量の同種の、または同系統の化学物質に再接触した場合にみられ、いったん過敏性を獲得してしまうと、その後は非常に微量でも反応を示すようになります。

日本では、人口の約 7.5%が化学物質過敏症であるとされ、男女差はほとんどなく、幅広い年齢層で認められる傾向があります。


原因

原因については、まだ不明な点が多いものの、化学物質への暴露に加えて、精神的ストレスや精神疾患が発症に関与していると考えられています。また、気管支ぜんそく、 アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、じんましんなどのアレルギー性疾患と合併することが多いことから、からだの免疫機能との関連性も示唆されています。

発症する物質は、シックハウス症候群の原因となる建材や塗料、接着剤のほか、農薬、殺虫剤、防虫剤などに加えて、香水などの化粧関連用品、衣料用洗剤、防臭・消臭剤、芳香剤、シャンプーなどのボディーケア用品、さらにたばこの煙など多岐にわたります。


症状

おもな症状は、嗅覚過敏、目・鼻・のどの刺激症状をはじめ、皮膚の紅斑・掻よう感(かゆみ)、易疲労感(いひろうかん:少しの動作でも感じる疲れ)、頭痛、集中力の低下、めまい、吐き気などです。重症例では、強い精神神経症状が認められることもあります。 いずれも、健康な人ではとくに問題がない程度の、非常に微量な化学物質との接触で発症します。

検査・診断

本症の確定診断につながる有効な検査はないため、症状の経過や生活環境に対する詳細な問診を含めた診察や検査から慎重に診断されます。慢性の経過をたどり、再現性をもって症状が出現し、原因物質の除去で症状が改善されるか、などが診断の決め手になります。

治療

化学物質過敏症の治療はまだ確立していません。環境を改善して原因となる物質との接触を極力避け、化学物質の濃度を低く抑えることがもっとも効果的です。

また、アレルギー疾患との合併率が高いため、アレルギー症状を十分コントロールすることも重要です。さらに、心身医学・精神医学的アプローチも有効な場合があります。


セルフケア

予防

化学物質にできるだけ暴露しないように、以下のようなことを心がけて生活環境を整えてください。

・室内空気を汚さないように換気をこまめにする

・スプレー式殺虫剤、消臭剤、芳香剤は使用しない

・化粧品などは使われている成分をチェックする

・住宅の新築・改修・改装時は使用する建材や塗料に注意する

・除草剤や農薬はできるだけ使用しない


監修

東海大学 医学部血液腫瘍内科 教授

川田浩志

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