シックハウス症候群

しっくはうすしょうこうぐん

最終編集日:2023/3/20

概要

建材や家具などに使われている化学物質などによって室内の空気が汚染され、それが原因でさまざまな症状が現れるのがシックハウス症候群です。建物の気密性が高くなったことが空気汚染の悪化につながっています。新築の住宅やマンション、オフィスだけでなく、リフォーム後や、新しい家具なども発症のきっかけとなります。

化学物質の多くは揮発性であることから、気温が高くなると空気中の含有量も多くなるため、初夏から夏にかけて症状を訴えることが増えてきます。


ほかのアレルギー疾患をもっていると、シックハウス症候群にかかりやすいとされています。また、同じ室内にいても、まったく平気な人もいれば、つらい症状が現れてその場にいられない人もいたりと、症状の個人差が大きいのが特徴です。

欧米では「シックビル症候群」と呼ばれます。

原因

建材や家具、壁紙、カーテンなどの材料、塗料、接着剤、溶剤、防虫剤、殺虫剤などに含まれる化学物質が原因になります。代表的なものとして、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどが挙げられます。また、カビ、ダニ、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、たばこの煙なども誘因となります。


なお、2019年までに厚生労働省によって、16種の化学物質について室内化学物質濃度指針値が設定されています。しかし、この値はあくまでも有害な健康被害を起こさない値であるため、この基準値以下の濃度であっても、シックハウス症候群を発症する人がいるというのが現状です。

症状

目や鼻、のどの症状として、目がチカチカする、涙目、鼻水、鼻がツーンとする、鼻の乾燥感、のどの痛みや乾燥感、唇が乾く、せきなどが現れます。全身の症状としては、めまい、吐き気・嘔吐、頭痛、じんましん、肌の乾燥、疲れやすいなどがあります。


旅先では症状が出ないなど、明らかにシックハウス症候群が疑われる場合もありますが、はっきりとわからないケースも少なくありません。

治療

目や鼻、のどなど、全身の症状に対して、対症療法が行われます。

セルフケア

予防

シックハウス症候群は一種のアレルギー反応であるため、アレルギーを起こす物質(アレルゲン)から離れれば症状は改善されます。しかし、家やオフィスなど、完全に離れることができない場合は、できるだけ原因物質の影響を少なくするために、次のようなことを心がけます。


●換気を十分に行う

とくに新築やリフォーム後は頻繁に換気します。換気システムを24時間稼働させる、室内が高温多湿となる初夏~初秋には窓を閉め切らない、窓を2カ所以上開けるなどを実践します。

●ストーブなどの暖房器具は室外に排気するものに換える

●床材や日常的に使う家具などは化学物質を放出しないものを選ぶ

●化粧品、香水、ヘアケア製品、洗剤などはできるだけ自然由来のものを使う

●消臭剤、芳香剤、防虫剤、殺虫剤は必要最低限の使用にとどめる

●カビやダニが誘因になることもあるため、こまめに掃除を行う

●じゅうたんや畳をフローリングに替えてカビ・ダニによる汚染を減らす

●室内は禁煙にする

●新築や改装、家具の購入の際はシックハウス対策がとられたものを使用するよう施工業者と十分に相談する


また、シックハウス症候群について正しい知識をもつことや、症状を悪化させる可能性のある過労やストレスを軽減する生活(規則正しい生活リズム、栄養バランスのよい食事、十分な休養と睡眠、適度な運動など)を心がけることも大切です。

監修

東海大学 医学部血液腫瘍内科 教授

川田浩志

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