のどの不調は性感染症かも? 気づきにくい性感染症と注意ポイント
最終編集日:2022/8/19
●20代以降、幅広い年代で起こる性感染症。のどに感染することも!
性感染症のうち、一般的にかかる人が一番多いのはクラミジアです。次いで淋病(淋菌感染症)、性器ヘルペス、尖圭(せんけい)コンジローマなども多くみられます。
先に挙げた病気は、性器周囲だけでなく、のどに感染して症状をひきおこします。のどに起こる性感染症の原因は、オーラルセックスやディープキスといわれています。かかりやすい年齢は20代が最多で、性的活動のある幅広い年齢層にみられるものです。抗生物質の投与で治癒しますが、性器の性感染症に比べて治りにくいともいわれています。
●気づきにくいが、放置するとさらなる感染や深刻な影響も
性感染症は必ず症状が起こるわけではなく、症状があっても軽度な場合もあるため、ほかの病気との見分けが難しい場合が多々あります。のどの性感染症では「ヒリヒリする」「つばが飲み込みにくい」「違和感がある」など、かぜと同様の症状が現れることも少なくありません。そのため、のどの専門科である耳鼻咽喉科を受診する人もいると思いますが、性感染症への不安が少しでもある場合は、そのことをきちんと医師へ伝えることが正確な診断・治療への近道となります。
また、咽頭(いんとう)クラミジアの場合、感染した女性のうち、約80%が無症状といわれており、症状が出にくい傾向があります。そのため、自覚しにくく感染に気づかずに、パートナーにうつしてしまう可能性もあります。感染が長引くことで不妊症や流産、子宮外妊娠などの原因にもなるなど、深刻な影響を及ぼしかねません。
●コンドームを使う、不安なときはすぐ受診を
基本的なことになりますが、相手が感染症をもっているかわからない場合の性行為には特に気をつける必要があります。性行為の前後のうがいなどでは防ぐことはできず、コンドームの使用はある程度の効果があると考えられます。不安に思ったときは、ためらわずに医療機関を受診してください。
監修
新宿レディースクリニック 院長
崎山ゆかり