月経前不快気分障害(PMDD)とは?

最終編集日:2024/3/8

●PMSより精神症状が強く出るPMDD

月経前のつらい症状としては「月経前症候群(Premenstrual Syndrome :PMS)」が知られています。おもにイライラや情緒不安定、気分の落ち込み、眠気、頭痛、下腹部痛などの症状が月経の3〜10日前から現れ、月経が始まると治まるのが特徴です。症状の強さや現れ方は人によりさまざまですが、思い当たる症状がある人は多いのではないでしょうか。

一方「月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder:PMDD)」は、PMSよりも精神症状が際立って強く出現する病気です。感情が著しく不安定になり、いら立ちや怒り、抑うつ気分や絶望感などの強い精神症状が現れ、集中力の欠如、倦怠感、食欲減退、過眠または不眠などの症状も相まって、日常生活に支障をきたすほどです。

なぜPMDDが起こるのかは、まだはっきりと解明されていませんが、PMSと同様に、月経前に分泌量が増加する「黄体ホルモン」の影響があると考えられています。気持ちを落ち着かせる役割のある神経伝達物質「セロトニン」の働きの低下も関与しているといわれています。


●つらい症状は我慢せずに、婦人科で相談を

PMDDは月経が始まると症状が改善するので、つらいのは一時的なこととして我慢を重ねている女性が少なくありません。しかし、その間は仕事や勉学に支障が出るなど、QOL(生活の質)は低下してしまいます。それが毎月起こるため、我慢せずに婦人科を受診することをおすすめします。


●治療やセルフケア法は?

治療は、低用量エストロゲン・プロゲステロン配合薬(LEP)や、ピル(経口避妊薬)で月経の回数を少なくしたり、コントロールしたりすることで症状を緩和するほか、月経トラブルに効果がある漢方薬が使われることもあります。患者さんの症状や生活などを考慮して選択します。抑うつ状態が強い場合は精神科や心療内科の受診が必要なこともあります。

また、ストレスを強く感じていると症状が悪化しがちです。ストレスが蓄積しないように意識的に気分転換を図ったり、規則的な生活や十分な睡眠、適度な運動などの生活改善を心がけたりすることも症状緩和につながります。

監修

小山嵩夫クリニック 院長

小山嵩夫

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