髪は「太く長く」から「細く短く」置き換わる

このごろ、抜け毛が多くなった、髪の生え際が後退してきた気がする…。髪の毛のことはデリケートな問題だけに人にいえず、自分に自信がもてなくなるなど、1人で悩んでいる人はいませんか？　成人男性に圧倒的に多い男性型脱毛症の基礎知識をご紹介します。

人の頭髪の本数は、約10万本といわれています。髪の毛にはヘアサイクルと呼ばれる周期があり、古い髪の毛が抜け、新しい髪の毛に生え変わっていきます。その中で、抜け毛は毎日起こっており、その本数は1日50～100本程度。季節の変わり目などで、抜け毛が多くなることもあります。

男性型脱毛症は一般的に、成人男性にみられる髪が薄くなった状態を指します。思春期以降、特に頭頂部から前頭部にかけて軟かい毛が目立つようになります。年齢とともに進行していき、成人男性の約3人に1人が男性型脱毛症とされています。

ここで、誤解のないように説明すると、男性型脱毛症では決して髪の毛の本数が減るわけではありません。ヘアサイクルの中で、太く長い毛が細く短い毛に多く置き換わってしまうことで、見た目の髪の毛の量が減ってしまったように見えるのです。

遺伝や体の中に増えるアンドロゲン（男性ホルモン）の作用によって毛根が小さくなることなどが主な原因と考えられています。そのため、更年期以降の女性にも起こります。男性型脱毛症は、特に遺伝的な素質が大きく左右するといわれます。

根本的治療はまだありませんが、内服薬、外用薬、植毛手術などで、一定の効果が見込めますので、一度、皮膚科で相談してみるとよいでしょう。日常生活では頭皮を清潔に保つことや頭皮のマッサージを習慣にすることなどが対策となります。