円形脱毛症はストレスが原因？

円形脱毛症は、ストレスが直接的な原因ではなく、何らかのきっかけ（誘因）によって起こります。ストレスで症状が出ることもありますが、なりやすい素質が影響している場合もあります。

痛みやかゆみなどの症状もなく、突然円形に毛が抜けていることに気づき、愕然とするのが円形脱毛症です。多くは自然に治ってしまうので、気がつかないこともよくあります。脱毛は１カ所だけでなく何箇所も起こることがあり、髪の毛の他に眉毛やひげにも起こることがあります。

脱毛の原因は、髪の毛が伸びる成長期と呼ばれるときに、リンパ球が毛の根本を包む毛包という部分を間違って攻撃し、壊してしまうからです。なぜリンパ球が攻撃をするのかは、はっきりとはわかっていませんが、最近は自己免疫性の病気と考えられています。

円形脱毛症になりやすい体質であること、また皮膚炎や甲状腺の病気などに伴って起きることもあります。ですから、脱毛を発見したときは、皮膚科できちんと診断をしてもらうことが大切です。日本皮膚科学会では、円形脱毛症診療ガイドラインをつくっています。通常、治療法はこれに沿って決めていきます。

ストレスが脱毛の直接原因ではありませんが、全身の状態と関連しているので、心身へのいたわりは大切です。

日常生活上の留意点をご紹介します。参考になさってください。

1.頭皮を清潔に保ちましょう。ただし、過度な頭皮のマッサージは不要です。

2.疲れをためないように、規則正しい生活を続けましょう。

3.睡眠不足を避けましょう。

4.たばこは控え、お酒は適量にしましょう。

5.毛髪のもとになる、鉄や亜鉛を含むミネラル（肉類、魚類、豆類、種実類、野菜類、果実類など）が不足しないように、バランスのよい食事をとりましょう。

円形脱毛症は自然に治ることもありますが、脱毛範囲が広かったり、症状が長引いたりした場合は、早めに皮膚科で診てもらうとよいでしょう。