抜け毛が急に増えたのはストレスのせい？

異動されて、新しい仕事を覚えることになったのですね。新しい環境に身を置くということは、それだけでもストレスになります。そのようなストレスを抱えながらもお仕事をがんばっている大変さが、こちらにも伝わってきます。

さて、ご相談についてですが、毛が抜けてしまって地肌が見えている状態を「脱毛斑」といいます。この状態は、ストレスが原因でなる人もいますが、それ以外にも食生活、睡眠不足、生活習慣などいろいろな要因が重なって起こり得ます。また、頭皮の状態自体に問題がある場合も考えられますので、まずは脱毛症専門外来か皮膚科を受診され、医師の診察を受けることをおすすめします。

ここでは診療した結果、ストレスが原因と考えられる場合について、お話を進めます。脱毛斑はほかの人が見てもわかる場合であったりすると、ご自身もかなり気になってしまうことでしょう。脱毛斑が気になること自体もストレスになってしまい、さらに症状を悪化させてしまうかもしれないですね。脱毛斑は一朝一夕に治るものではないので、原因と思われることを少しずつ取り除いていくこと、髪のことばかり考えてストレスを抱えないことが大事かと思います。

脱毛症と関係のあるストレスについてですが、ご自身でも環境の変化がストレスの原因かもしれないとお考えですね。ご自身でそう思うということは、やはりそれが原因となっている可能性は高いと思います。新しい部署で早く仕事ができるように、覚えられるようにと、がんばっているのではないでしょうか。がんばった分、ストレスはご自身で抱えることになります。まず、脱毛斑ができてしまうほど、がんばっているご自身の努力をほめてください。また、がんばりすぎていないかも確認してみてくださいね。

また、ご相談者様、今は「一生懸命やらなくては、がんばって仕事を覚えなければ」と、少々焦っているところがあるのではないかとも思います。少しゆったりした気持ちを取り戻すために、園芸などをしてみてはいかがでしょうか。最近はおしゃれな水耕栽培もはやっており、ヒヤシンスの花などは土を使わずに容器と水だけで育てることができるので、変化も見られて心和むときを過ごせるでしょう。もっと簡単なものでは、豆苗という野菜を育てる方法があります。まずスーパーなどで売られている根がついている豆苗を用意します。根から3センチほど残してカットし（カットしたものは料理に使ってください）、容器を用意して苗を入れ、根の部分がひたるぐらい水を張ります。しばらくすると切った部分から新芽が育ってきます。お手入れは3日に１回ほど容器の水を交換するだけです。少しずつ成長していく様子を見ることでのんびりとした気持ちになれ、気分転換にもつながるでしょう。

忙しい日々を送り、頭髪のことが気になってしまうこともあるかとは思います。しかし、日常の中で少しその問題から離れ、のんびりするためにも一度、水耕栽培を試しみてはいかがでしょうか。ストレスが少しでも軽減されて、体調がよくなることを願っています。