外陰部のできもの、しこり

最終編集日:2024/1/19

概要

外陰部は、おりものの分泌や化学繊維の下着などによって湿度の高い状態におかれやすく、細菌感染を起こしやすい部位です。細菌感染や性交などが原因で、できものやしこりを生じることもあり、次のような場合には医療機関での治療が必要です。


●尖圭コンジローマ

おもに性交によってヒトパピローマウイルス(HPV)に感染する性感染症です。外陰部にイボのようなできものが生じることが特徴です。


●バルトリン腺膿瘍

腟口の後方にあるバルトリン腺に細菌感染が起こって膿瘍ができる疾患です。膿瘍からうみが出ることによって強い悪臭を放ちます。


●外陰毛嚢炎

黄色ブドウ球菌や大腸菌に感染することで、陰毛の毛根部周辺にできものが生じる疾患です。かゆみがあるため患部をかいてしまいやすく、できものが破れて内部のうみが排出されると悪臭を放ちます。


●粉瘤

外陰部の皮脂腺に詰まりが生じることによって、アテロームと呼ばれる腫瘤ができる疾患です。放っておくと腫瘤が大きくなり、一部が破れて異臭のする皮脂が排出されることがあります。


●外陰ヘルペス

単純ヘルペスともいわれる、ヘルペスウイルスによる感染症です。外陰部に水疱ができ、痛みを生じます。排尿時にしみる、脚のつけ根のリンパ節が腫れるなどの症状が現れることもあります。


●外陰がん

外陰部にしこりができた場合には、外陰がんの初期症状である可能性があります。かゆみや痛み、出血、白斑などの症状が現れることもあります。


受診の目安

医療機関を受診

・外陰部にイボのようなできものがある

・下着に悪臭を放つうみが付着している

・外陰部に水疱ができて痛い

・排尿すると外陰部がしみる

・脚のつけ根のリンパ節が腫れている

・外陰部にしこりがある

・外陰部の皮膚の色が部分的に白くなっている

・外陰部から出血した


様子をみる

・外陰部が少しだけ腫れている

・外陰部が赤く腫れたが数日で治った


セルフケア

日頃から身体を清潔に保つことや、下着の素材を見直すなど細菌感染が起こりにくい環境を維持しましょう。原因がはっきりしない症状が長期(1カ月以上)にわたってみられた場合は、早めに婦人科を受診するとよいでしょう。



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監修

小山嵩夫クリニック 院長

小山嵩夫

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