更年期を快適に過ごす方法は？

更年期とは、閉経年齢をはさんだ前後10年間ほどの期間をいい、女性ホルモンの減少などによって、のぼせやほてり、多汗、冷え、動悸、めまい、不眠、イライラなど、さまざまな症状が現れます。また、この時期から骨粗しょう症や脂質異常症などのリスクも増加してきます。こうした症状を少しでも改善させ、快適に過ごすための対策としては、ホルモン補充療法（HRT）、漢方療法、生活習慣の改善などがあります。

【ホルモン補充療法（HRT）】

HRTは女性ホルモンを補充する治療法で、のぼせやほてり、発汗などに効果があります。さらに、腟の乾燥や性交痛、過活動膀胱の改善も期待できるほか、骨粗しょう症や脂質異常症、動脈硬化の予防、さらに認知機能の改善に役立つという報告もあります。ただ、HRTが受けられない人や慎重な判断が必要になる場合もあります。

【漢方療法】

副作用が比較的少ないので、HRTが受けられない人でも取り組める治療法です。症状によっては、HRTより効果が高いこともあります。冷えやのぼせ、めまい、肩こりや頭痛の緩和、不安やイライラなどに効果があるといわれています。

【生活習慣の改善】

毎日の食生活や運動などのライフスタイルを改善することも大切です。食生活では、栄養バランスのとれた食事をきちんととることで、更年期頃から起こりやすくなる骨粗しょう症や脂質異常症、動脈硬化などを予防しましょう。特に大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンと似た働きをするため、積極的に取り入れたい成分です。また、カルシウムやその吸収に必要なビタミンＤも更年期以降に大切な栄養素です。食べ過ぎや飲み過ぎ、塩分のとり過ぎなどにも注意しましょう。

こうした対策とともに、更年期に対する考え方を変えることも大切です。あまり思い悩まず、前向きにとらえて過ごすこと。仕事に遊びに、自由に活動の場を広げてみるのもよいでしょう。体調の変化に関しては、定期的に医師の診断を受け、自分の健康状態を把握しておくことが大切です。更年期の症状や治療に詳しいかかりつけ医を持つことをおすすめします。