COPDは治療で治る?

2025/04/10
COPDとはどんな病気ですか? 治る病気ですか?
この質問への回答
東京科学大学 教授 宮崎泰成
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、肺に炎症が起こり、呼吸がスムーズにできなくなる病気です。主な原因は喫煙で、たばこやその煙に含まれる有害物質によって肺に炎症が起こるため、「たばこ病」とも呼ばれています。また、肺の炎症は全身に影響し、狭心症や心筋梗塞、骨粗鬆症、糖尿病など、多くの病気と併存することから、COPDは全身の病気といわれます。
主な症状は、痰がからむ咳や息切れです。はじめはほとんど自覚症状がありませんが、病気が進行すると徐々に肺機能が低下していき、痰や咳の増加、息切れの悪化により、日常生活に支障をきたすようになっていきます。
肺の組織は破壊されると元には戻らないため、COPDを発症した場合、治療しても完治することはありません。ただし、早期に適切な治療をすれば、肺機能を維持することは可能になります。治療の基本は生活習慣の改善で、最も重要なのが禁煙です。加えて、適度な運動と肥満にならない食生活を心がけるほか、症状の進行程度に合わせて薬物療法や呼吸リハビリテーションなどを行います。
COPDの進行を遅くするために、治療は生涯、継続していくことが大切です。


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