夜間の頻尿で何度も起きてしまう

夜間の頻尿が続いているということで、睡眠も妨げられ、おつらいことと思います。一般的に、夜間に2回以上トイレに起きる場合に「夜間頻尿」として治療を考慮します。一方、昼間は、1日8回以上トイレに行く場合に「頻尿」とされます。通常の成人の1日の尿量は1000～1500mLで、水分の摂取量や気温・湿度、体温、体調などによって変動します。

ご相談者は夜間に4回もトイレに起きるということで「夜間頻尿」と診断される状態と思われます。

夜間頻尿は、次のようなことから引き起こされます。

●1日の尿量が増えている……昼間の水分のとりすぎ、服薬中の薬の影響、糖尿病が原因のもの、など

●夜間の尿量が増えている……就寝前の水分のとりすぎ、薬の影響、高血圧・心不全・慢性腎臓病（CKD）・睡眠時無呼吸症候群などが原因のもの

●膀胱の尿をためる量（膀胱容量）が減っている……前立腺肥大症、間質性膀胱炎、骨盤臓器脱などが原因のもの、過活動膀胱（急に尿意を感じる、急に強い尿意が起こりトイレに間に合わない、頻尿などの症状が起こる）が原因のもの

●睡眠障害が原因

まずは夜間頻尿の原因を調べるために、泌尿器科を受診することをおすすめします。不妊対策として服用されている補中益気湯の副作用として、頻尿は挙げられていませんが、就寝時刻や食生活もあわせて、泌尿器科を受診するときに相談されるといいでしょう。

頻尿の診断と治療には「排尿日誌」をつけることが必要になります。トイレに行った時間と尿量、とった水分の量・時間を毎日、記入します。自分の水分摂取と排尿の状況を明らかにすることで、客観的にとらえることができます。受診前から記入して、持参するといいでしょう。

また、夜間頻尿を改善する方法として、次のようなことを実践してみるといいでしょう。

●就寝前に水分をとりすぎない

●夕食後は利尿作用のあるコーヒー、日本茶などのカフェインを含む飲み物やアルコールをとらない

●夕方のウオーキング、夕方の足上げ（クッションなどに足を上げて横になるなど）などで、下半身にたまった水分を就寝前に血管に戻して、尿として排泄を促す

●過活動膀胱がある場合は、骨盤底筋体操などを行う